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『─季節のある日─』

─次の日。夜7時少し前。 少し体調が悪かったが、なんとか誤魔化してここにいる。 たぶん……死ぬのは今日だ。 体力が落ちているのを想定して早く出だからか、母親に言われた時間よりも早く着いてしまった。 懐かしい公園を見渡し、ポツンとたたずむブランコに腰掛ける。 イヤホンをして、少しでも世界に音を足すために音楽を流す。 柚葉と俺がカラオケで初めて一緒に歌った曲。 この歌が好きだった。 ゆっくり瞳を閉じ、歌に酔いしれる。 だから気づかなかった。 気づかなかったんだ。 その存在に。

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