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第18話 信じられない -1-

 きっかけは些細なミステイク。  正しい事がわからない。    ここで信頼していいのは……?  みんな狂ってやがる…っ!  早く、早くあの人の元へ行かなくちゃ!! 。。。。。。。  デスク据え付けの電話が鳴る。相手は外出先の服部さんだ。 『船山、もうすぐ11時だよ。そろそろ支度しろ!』 「はい! 昨日作った資料、コピーは何部要りますか?」 『7部……予備も含めて10部で。ランチミーティングとは言え商談だから、上着は持って行けよ、俺はこのまま向かうから。じゃあ正午に、現地でな』  基本外回りの服部さんと違って、内勤の俺は服装がカジュアルだ。さすがに学生に見られることはなくなったが、取引先に同行する場合はそぐわないことがあるので、会社のロッカーにはサッと羽織れるものを備えている。  サラリーマンを5年もやっていると、衣替えだのクールビズだのスーパーフライデーだの、大人の都合で細かな対応を迫られる場面も多い。急な予定変更にも慣れた。自社以外のマイナーなルールに合わせるのもお手の物。自分のキャパシティが広いわけではない。要は、決めつけなければいいのだ。  外勤向けの性格ではないから、コツコツ何かを組み上げていけば仕事が成立する今の状況に不服は無い。とはいえ、こうしてたまに先輩社員に連れられて直接相手先に出向くのも嫌いではない。日々の実績を客観的に見られるし、視野が広がる。それに……ランチが絡む今日みたいな席は、とても魅力的じゃないか。  美味いものご馳走になりながら、今回のプロジェクトの内容と、必要なシステム構築を擦り合わせる。お仕事サイコー!  若干の不安はあるものの、服部さんが一緒ならなんとかなると思えた。  そう、一緒にいるのなら。

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