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2月のイベント的な――
いつものごとく、どこから突っ込んでいいんだ――
「あの、郁也さん。それ何のイラスト?」
「ぁあ? これはジュエリーノベルを宣伝する、ポスターのイメージを絵にしてみたんだ」
エ━━━(;゚д゚)━━━・・
「……もしかしてだけど。その中央に描かれているナース姿の人、周防さんだったりする?」
「お~! よく分かったな。涼一、お前すげぇよ」
喜んでほしくない。ただ向こうから情報が流れてくるから、分かっているだけなんだ。クリスマスプレゼントに天使の羽つきナース服を貰ったって、メールで聞いていたからね。
だからといって、それを描いちゃう、郁也さんもどうかと思われ――
「もしかしてだけどナース服の件、郁也さんが絡んでいるんじゃ」
「ギクッ!!Σ(`д´ノ)ノ」
「やっぱり……周防さん、すっごく迷惑がっていたよ。なのにそれを、こんな風に描いちゃうなんて見たかったんでしょ、郁也さん」
呆れながら指摘してやると、やぁ、まぁなと否定しなかった。
「実は、太郎に頼まれてな。涼一のと一緒に注文したんだ。あとから周防には謝った」
「それにしても、節分とバレンタインを一緒にしちゃうのは、どうかと思う」
「え? バレンタインだけじゃ、インパクトねぇだろ。コレだと絶対に、目を奪われると思ってだな」
目の前にスケッチブックを差し出してくれたけど、周防さんの目が怖いよ(((;゚д゚))) 何気に、ホクロのインパクトも凄いし。
「それ、三木編集長さんに見せるの?」
「ああ。ダメか?」
「ううん、ちょっとでも採用されるとイイね」
差し出されたものを丁寧に返却し、その場を後した僕。
明日、これを見せられる三木編集長さんの困惑を考えると、胸が痛くなる――
めでたし めでたし
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