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クリスマス
最近、郁也さんからプレゼントを貰った。何故か、フリルがたくさん付いてる、見た目可愛すぎるエプロン――
ピロトークを聴きながら番外編:新婚さんごっこにて掲載中(・∀・)/)
それが何を意味するのか、エロい郁也さんの考えることが、手に取るように分かってしまう僕は、あり難く戴きながら、絶対に裸で付けてあげなかったんだ(`‐ェ‐´)
それでもキッチンに立つ機会があるときは、仕方なく使ってあげてるんだけど。
(ピンポーン♪なんて誰かが来たら、どうしようってなっちゃうな)
クリスマスイブの夜、遅く帰ってきた郁也さんを、フリフリのエプロンをつけたまま、
(勿論、服は着ているぞ)ニコニコ微笑んで出迎えてから、ホッペにお帰りなさいのチュッをしてあげた。
腕を引っ張ってリビングに連れていき、ダイニングテーブルの椅子に座らせる。
そんでもって、レンジでチンしたおしぼりをそっと手渡し、一緒にビールで乾杯。
カンパ─(*´ω`)o∪☆∪o(´ω`*)─イ
ネットで調べた、料理初心者でも作れる料理に舌鼓を打ち、ほっこりしたところで、僕からプレゼントを渡した。
「郁也さん、今使ってるカバン、結構年季が入ってるから、新しいの使ってほしいと思って」
以前使っているものより、一回り大きなカバンをチョイスしてみたんだ。気に入ってくれると嬉しいな――
「ヤベェ、ありがとな。早速桃太郎を移動して、付け替えなきゃ」
新しいカバンに、お気に入りのマスコットをいそいそと付けて、喜びを表してくれる。
「俺からも涼一に、プレゼントだ。いつもの絵と一緒に、コレはあとで見てくれよな」
30センチくらいの箱の上に、郁也さんが描いたスケッチが、ばばんと置いてあったのだけれど。
「(;´-`)。oO(ぇ・・・)」
この絵の意味することが、さっぱり分からない――きっと今の仕事がすっごく忙しくて、吐きそうなレベルだったに違いないと思いたい。
そんでもって、頭を一生懸命使って酸素が不足してたから、酸多(サンタ)なぁんていう言葉が浮かんだのかも!?
他にもどう突っ込んでいいのか、分からないモノばかりで、どう表現していいのか……
「赤いサンタの服が眩しいね。すごいや、郁也さんっ! トナカイも、お仕事しそうな顔してるし」
目が死んでるように見えるのは、サンタと一緒にプレゼントを運びすぎて、大変だったんだ、きっと。
「お、おぅ……とにかく、その箱の中身は、あとで見てくれよな」
豪華なディナーの後片付けをしながら、さっさとキッチンに行ってしまった郁也さんを見やり、どうしても気になってしまって――
「じゃあ先に、お風呂戴くね」
着替えに紛れさせ、箱と一緒にお風呂へGO! いそいそと中身を見てみたら。
「<(T◇T)>うぉぉぉぉぉ!!!」
それは郁也さんが描いていた、サンタの衣装だった。
「こ、このミニスカートを、僕に履けというのか!?」
裸エプロンがダメだったから、今度はサンタのコスチュームに、トライしちゃったのかなぁ(;´・ω・)
たまたま持ってきていたスマホをポケットから取り出し、周防さんにメッセージしてみる。今頃彼らもいい感じで、クリスマスイブを迎えているかもしれないけれど。
『周防さん、メリクリ(´∀`) つかぬ事をお聞きしますが、郁也さんは恋人に女装をさせる趣味があったりしますか?』
微妙な内容に苦笑しつつ、ぽちっと送ってみた。すると、タイミングよく返事が!
「あれれ、周防さん。太郎くんと一緒に、クリスマスイブを過ごしてないのかな?」
内心驚きつつも、文字を目で追ってみる。
『涼一くん、メリクリ! ももちんのクリスマスプレゼント、女装コスだったのか。実はウチもおんなじ系統のプレゼント貰っちゃって困ってるんだ、着れるわけないよね。どんだけーーー(`Д´)』
周防さん、困っているというより怒ってる。というか同じ系列って、一体どうなってるんだ?
『僕のは、サンタのミニスカコスチュームでした。周防さんはどんなのでしたか?』
自分のハズカシさよりも興味が勝ったので、思い切って訊ねてみる。
『サンタのコスチューム……( ̄_ ̄|||) 俺のは、天使の羽が付いたナース服だった』
∑( ̄[] ̄;)!ホエー!! ちょっ、それは絶対に着たくない!!
『サンタのコスチュームといいナース服といい、ももちんと太郎のヤツ、一緒に買物に出かけたか、注文した先が同じような気がするのは俺だけ?』
ショックで文字が打ち込めずにいたら、周防さんがナイスな意見をくれた。
『共通するところが、ありすぎますもんね。何を考えているんだろう(´-∀-`;)』
『どっちが主犯か、とっちめてやるよ。楽しみに待っててね』
『あ、ほどほどにしてください。よい、クリスマスを……』
そこでメッセージが終了――血祭りにならないことを祈る、僕であった。
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