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驚きの事実
それは突然の出来事だった。
リビングでパソコンとにらめっこしながら、さくさくと執筆活動をしていたときのこと――
「画集を出したら、どんな反応がくるかな?」
ソファに座った郁也さんが、信じられないことを口走ったんだ。
<(T◇T)>うぉぉぉぉぉ!!!
僕の聴き間違いじゃないよね? 画集って言ったよね? 写真集の間違いじゃなく?
胸の中にぐるぐると渦巻く疑問を抱えながら、そっと問いかけた。
「いっ、郁也さん、いきなりどうしたの。画集ってなに?」
「ん? このスケッチブックに描いたものを画集にしたら、どんな反応がくるだろうって思ったんだ。涼一はどう思う?」
ド━━━(゚ロ゚;)━━ン!!
……聴き間違いじゃなかった。この問いかけに、何て答えたらいいのやら。
「えっとですね、どんな反応だろう。想像つかないや、アハハ……」
あさっての方向を見ながら答えた僕の顔を見て、ふーんと面白くなさそうに、気のない返事をした。
頭の中には、小さくなった出川○郎が、
『ヤバイよ! ヤバイよ!』
なぁんて叫びながら、何人も走り回ってる状態。
「それを画集にするなら、全部に色をつけたら、まぁまぁそれなりに見えるかもよ?」
そんな適当なことを言った自分。
郁也さん本人が写されたであろう写真集ならきっと、たくさんの人が、こぞって買うんだろうなって思えるんだけど、この絵に関して、どんなジャッジが下されるのか、容易に想像ついてしまう。
「そっか。なるほどな! さっすが涼一、いいことを言う」
ぱっと顔を輝かせ、傍においてあったカバンから色鉛筆を取り出すと、早速塗り始めたではないか。
――墓穴を掘ってしまったらしいΣ(|||▽||| )
ショックで固まる涼一と、楽しげに色塗りをする郁也。近く画集が掲載される予定、かも――?
※実は某所にて、【桃瀬画伯の画集】というBL短編集が挿絵付きで公開しております(つぅか、後悔するかも!?)桃瀬画伯の芸術をぜひとも堪能してみたい方は、どうぞ概要にアドレスを載せましたのでどうぞ!
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