60 / 87

驚きの事実

 それは突然の出来事だった。  リビングでパソコンとにらめっこしながら、さくさくと執筆活動をしていたときのこと―― 「画集を出したら、どんな反応がくるかな?」  ソファに座った郁也さんが、信じられないことを口走ったんだ。  <(T◇T)>うぉぉぉぉぉ!!!  僕の聴き間違いじゃないよね? 画集って言ったよね?  写真集の間違いじゃなく?    胸の中にぐるぐると渦巻く疑問を抱えながら、そっと問いかけた。 「いっ、郁也さん、いきなりどうしたの。画集ってなに?」 「ん? このスケッチブックに描いたものを画集にしたら、どんな反応がくるだろうって思ったんだ。涼一はどう思う?」  ド━━━(゚ロ゚;)━━ン!!  ……聴き間違いじゃなかった。この問いかけに、何て答えたらいいのやら。 「えっとですね、どんな反応だろう。想像つかないや、アハハ……」  あさっての方向を見ながら答えた僕の顔を見て、ふーんと面白くなさそうに、気のない返事をした。  頭の中には、小さくなった出川○郎が、 『ヤバイよ! ヤバイよ!』  なぁんて叫びながら、何人も走り回ってる状態。 「それを画集にするなら、全部に色をつけたら、まぁまぁそれなりに見えるかもよ?」  そんな適当なことを言った自分。  郁也さん本人が写されたであろう写真集ならきっと、たくさんの人が、こぞって買うんだろうなって思えるんだけど、この絵に関して、どんなジャッジが下されるのか、容易に想像ついてしまう。 「そっか。なるほどな! さっすが涼一、いいことを言う」  ぱっと顔を輝かせ、傍においてあったカバンから色鉛筆を取り出すと、早速塗り始めたではないか。  ――墓穴を掘ってしまったらしいΣ(|||▽||| )  ショックで固まる涼一と、楽しげに色塗りをする郁也。近く画集が掲載される予定、かも――? ※実は某所にて、【桃瀬画伯の画集】というBL短編集が挿絵付きで公開しております(つぅか、後悔するかも!?)桃瀬画伯の芸術をぜひとも堪能してみたい方は、どうぞ概要にアドレスを載せましたのでどうぞ!

ともだちにシェアしよう!