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『Yoshi、上に部屋を取っているんだ……今日はいいよね?いつも、食事ばかりでは満足できないよ。君は綺麗で可愛いから全てを手に入れたい』
身なりの良い気品ある年配の男性。でも、口にする言葉は目の前の幼さが残る美しい少年を誘う言葉。
『会う時に約束したでしょ?食事だけだって』
目の前の彼は可憐に微笑む。
『そうだけど……君があまりにも魅力的だから……お小遣いは弾むよ?』
男性は彼の手を握る。
綺麗なブルーの瞳は自分を見つめている。
彼はアメリカ人で日本にも会社を持っている大物。
地位も名誉もあり、既婚者で子供もいる。
そんな人ほど、こうやって少年を買う。
Yoshiもアメリカ育ちだからネイティブな英語を話す。
でも日本人なので『英語上手だね』と褒められる。
『あんたもね』と笑顔で返す。
そう返した時にこの男性は『綺麗な顔に似合わない気の強さだね』と気に入られ、何かと誘われるようになった。
食事だけだと約束した。でも、小遣いはくれる……だからいつかは……と思っていたがやはりきたか……。
『トイレ行ってきます』
立ち上がり、席を立つと手を掴まれる。
『逃げるわけじゃないよ、だって逃げれないでしょ?』
ニコッと微笑むと男性は手を離してくれた。
トイレの個室に入ると電話をかける。
◆◆◆◆
Yoshiがトイレから戻ると会計は済ませてあり、急かされるようにレストランを出る。
『その子、どこに連れてくの?』
レストランを出た所で白人の男性2人に声をかけられる。
『どこって?君達には関係ないだろ?』
男性が言うと、
『その子、未成年って知ってる?未成年といやらしい事するとどうなるか知ってるよね?俺達、彼の保護者なんだよ』
『は?未成年?成人してるって言っただろ?』
男性はyoshiを見る。
『言いましたっけ?』
とぼけてニコッと微笑む。
『未成年淫行で警察のお世話になる?』
そう言われ、男性は引き下がった。
◆◆◆◆
『ごめん、ありがとう』
ホテルを出て3人で歩く。
『別にいいよ、で?いくら貰った?』
聞かれたので貰った金額からお金を振り分けた。
『あの人、金持ちだよな……まあ、だから引き下がったんだろうけど……yoshiあまり無茶するなよ?毎回助けれるわけじゃないから』
『うん、ありがとうアレックス』
Yoshiは自分の分のお金をポケットにねじ込む。
『何か食べに行く?』
Yoshiは3人で繁華街へと歩いて行った。
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