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思い出したくない事 4話
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「ん…はあ…」
何度もキスを繰り返し、yoshiは甘い吐息を吐く。
「嘉樹、これ以上はお預けだ」
豊川はyoshiから離れた。
「やだ、もっと」
yoshiはギュッと抱き着く。
「光一が戻って来るだろ?」
「ちぇっ」
yoshiは仕方なく諦める。
「でも、ちょっと熱いな」
額を触る。
キスしている間、熱を感じていた。
興奮してるからだと思っていたが違うようだ。
「熱ないよ」
yoshiは豊川の手を退かそうとする。
「体温計あったと思うから待ってなさい」
「ないってば!」
yoshiは立ち上がる豊川の腕を掴む。
「ないから、行かないで」
不安そうに豊川を見上げる。
一人にしないで!
身体全体で訴える。
「嘉樹…大丈夫だから」
豊川はベッドの端に座り頭を撫でる。
「すみません」
事務所のドアの向こう、ナオの声が聞こえて来た。
「ナオ…?」
yoshiは嬉しそうに身体を起こす。
「すみません、中入ります」
そう言ってナオが中へ入って来た。
「なお…どうしたの?」
「光一さんにyoshiが倒れたって聞いて」
ナオはyoshiの側に来ると頬に手をあてた。
「熱い…大丈夫か?」
「大丈夫だよ」
yoshiはナオが来るとは思っていなかったのか、凄く嬉しそうだ。
嬉しそうなyoshiを見つめる豊川は複雑だった。
淫らな事を出来るのは自分だけだ。でも、嬉しそうな顔をナオにも見せる。
ヤキモチかな?
この年で?
豊川は自分で自分を笑いそうになる。
「連れて帰ります」
そう言うナオに豊川は、
「送っていきますよ」
と鍵を出した。
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