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年下の彼 34
早く…………
早く…………
こいつの熱をもっと感じたい………………
そして、押し当てた唇の隙間から、
そっと囁く────
「…………大地……早く……」
────と。
それは、初めて呼んだ恋人の名前。
俺の……
年下の恋人。
「………………小太郎さん、それ反則です……」
そして、久しぶりに“小太郎さん”と呼ばれた俺はまた嬉しくなる。
こんな些細なことでもこんなに嬉しいなんて……俺も相当こいつに毒されてる。
「おまえだって反則だろ……」
「え?」
「いや、なんでもない」
「生徒と教師……だから、ダメ……ですか?」
込み上げる感情に支配されながら必死に理性を保つけれど、目の前のこいつを見てるとそれすら危うくて、
「ダメじゃねーよ。もう覚悟は決めたし、それに……う……れしい……」
コントロールが利かなくなるんだよ。
ああ、これが“好き”って感情なんだな。
そう自覚している間にもうつ伏せにされ、そのまま四つん這いの格好にされた。
「もう……早く挿れないと僕、またイッてしまいそうなんでいい加減挿れますよ。無自覚な小太郎さん半端ないです。」
「あ、いや……」
あまりにも余裕ない声に戸惑いながらもまた嬉しさが込み上げ、俺はシーツに額を付けたまま……気付かれないように、クスリと笑った。
*
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