174 / 190

年下の彼 34

早く………… 早く………… こいつの熱をもっと感じたい……………… そして、押し当てた唇の隙間から、 そっと囁く──── 「…………大地……早く……」 ────と。 それは、初めて呼んだ恋人の名前。 俺の…… 年下の恋人。 「………………小太郎さん、それ反則です……」 そして、久しぶりに“小太郎さん”と呼ばれた俺はまた嬉しくなる。 こんな些細なことでもこんなに嬉しいなんて……俺も相当こいつに毒されてる。 「おまえだって反則だろ……」 「え?」 「いや、なんでもない」 「生徒と教師……だから、ダメ……ですか?」 込み上げる感情に支配されながら必死に理性を保つけれど、目の前のこいつを見てるとそれすら危うくて、 「ダメじゃねーよ。もう覚悟は決めたし、それに……う……れしい……」 コントロールが利かなくなるんだよ。 ああ、これが“好き”って感情なんだな。 そう自覚している間にもうつ伏せにされ、そのまま四つん這いの格好にされた。 「もう……早く挿れないと僕、またイッてしまいそうなんでいい加減挿れますよ。無自覚な小太郎さん半端ないです。」 「あ、いや……」 あまりにも余裕ない声に戸惑いながらもまた嬉しさが込み上げ、俺はシーツに額を付けたまま……気付かれないように、クスリと笑った。 *

ともだちにシェアしよう!