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苦い過去 12
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「────そういうことで、生徒会が行うことになるのでよろしく。じゃあ、今日はこれで終わりにする。」
いつもの生徒会の定例会議。
俺と星川の関係を知るやつはもちろん…いない。
だから今日もいつものように、俺たちは素知らぬ顔で別々に帰る。
「お前ら、夜は雨降るらしいからさっさと帰れよ。」
帰る準備をしながら俺の話に反応した渚が口を開く。
「あー俺傘持ってねーや。雨なんて知らねーし。ほっしー持ってきた?」
「持ってきたよ。相原くん持ってもってこなかったの?昨日、夜のニュースでやってたよ?…結構降るって。」
そういえば、昨夜もうちで星川と一緒にぼんやりニュースを見てた時、明日は雨って言ってたな。
あぁ、だから俺も雨って知ってたのか……
そんなことを思い出し、星川と渚の会話に聞き耳をたてながら窓の外を見ると、確かに今にも雨が降りそうな空をしてる。
……俺も早く帰るか。
つか、あいつはいつまで渚と喋ってんだよ。
視界の端に二人を写すとまだ何やら話している。
気付いたら橘まで加わって、三人は楽しそうに話続けていた。
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