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苦い過去 24
「………んんッ…んッ…ちょっ…待てッ」
雨が顔に降りかかりキスの合間も雨粒が容赦なく口の中に流れてくる。
そんなことなんかお構い無しかのように星川は俺の舌を絡め取り、キスは激しさを増していった。
そして雨音に混ざる星川の吐息が耳に響く度に僅かに残る理性を強く働かせる……
だめだ……
早く止めさせないと……
そう……ここは学校。しかも洵也が目の前にいる。
これ以上続けてはいけないと脳が拒否反応を示すが、
「……んッ……やめッ……」
止めろと必死に口にしても星川からのキスに全て遮断されてしまう。
それに言葉とは裏腹にこの状況でも感じてしまってるこの身体。
くっそ……
思い通りにならない心と身体にイラつき始めた頃、ようやく星川の唇が離れていった。
そして、はぁ、はぁと肩で息するほどの酸欠状態に軽く目眩がした。
「……ッ……おまえっ!」
「いいから先生は黙っててください!」
いつもとはまるで別人の星川がイライラしたように俺に一喝し、そして低くどす黒い声で洵也に言い放つ……
「先輩……先生は僕のです。だから、これ以上この人にちょっかいだすのは止めてもらえますか。」
「お、おい…星川!」
「おまえ………」
「先生、帰りましょう……」
洵也が口を開いたと同時に星川は話を遮るように俺の手を取り、地面に横たわる傘を拾い上げるとそのまま無言で歩きだしたのだった。
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