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苦い過去 31

──────── ────── 「……すいませんでした。」 「だから、謝るほどのことじゃねーし。」 「だけど、僕のせいで……」 「それ以上言うな!俺にも一応はプライドがあるんだよ。」 あの後、すぐに俺の口ん中でイった星川。 昨日だって散々出したんだから溜まってるはずないと甘く考えていたら結構な量が出てきて、俺は情けないことにむせてしまったのだ。 しかもゲホゲホとみっともなく咳き込む俺に、星川が慌てて背中を擦ってくれてようやく落ち着きを取り戻すと言う…なんともいえない程度の低さ。 その後は、本格的にのぼせそうだったこともあり、イヤだと言うのに何故かお姫様抱っこで寝室に運ばれた挙げ句、無理矢理ベッドに寝かし付けられ甲斐甲斐しく水を口移しで飲まされ…今に至る。 「それに、俺……フェラ下手くそなんだよ。」 まぁ、下手だと言われたことはないが、何となく苦手っつーかあんまり自分から進んでしたことがなかった。 なのに、何故かさっきは手を伸ばしてしまい、自分でも些かびっくりしている。 「そんなことないですよ…凄く気持ち良かったです。舐め方とか吸い方とか、むしろ僕好みで上手かったと思いますよ?」 そんな満面の笑みで言われても……男として安易に喜べるわけねーだろ。 「…………あのさぁ、あんまり嬉しくねーし。」 「そこは喜んでくれていいのに。……それに、僕のを飲んでくれたのが嬉しかったです。」 気まずさと恥ずかしさで思わず背を向けると、俺を包み込むように後ろから抱きしめ、耳元でそんなことを囁かれ顔が一気に熱くなってくる。 こいつのこう言うとこがいつまでたっても慣れないっつーか、若いからなのか素直だからなのか悪気なくさらっとそう言うことを言うあたりがまたムカつくんだよ、マジで。 「………く、くっつくなよっ。それに耳元で喋るなっ!」 だからその事はあえてスルーすると、知らしめるかのようにこいつの腕の力は更に強くなった。

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