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儚い感情 12
あいつ────洵也とは終わったんだ。
“アソビ”だとはっきり言われたこと…それが俺には真実であって、他には何もない。
だから、そんな話……
正直どうだっていい。
「でも、それはそれで知らないままでよかったと思いますけどね。」
「は?」
「噂話に散々着色した俺が言うのもなんですが、やっぱり実る恋ではないんですから、早めにそうなってた方がお互いのためなんっすよ、多分。」
「実る恋では、ない……」
「そう。やっぱりリアルにしてはいけないことですからね。俺は、そう思います。だから……」
────してはいけないこと
世間に背く恋だから、
だから、
遅かれ早かれ別れが待っていたということか。
そうだよ、終わって正解だと思わなきゃいけない。
分かってるし、朝比奈の言うことは正論なんだと思う。
なのに、
「先生も気を付けてくださいよ?」
「は?なんで。」
「先生っていい大人のくせに、たまにほっとけなくなるような時あるから…案外生徒に好かれそう────男でも女でも…」
そんなことを言われ、乾いた笑いと共に浮かんでしまったのは星川の顔。
本当に、俺は恋愛に関しては学習能力がない馬鹿だ……
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