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儚い感情 11

「えっと…話す前に一ついいですか?」 なんなんだよ、もったいぶりやがって。 「なんだよ。」 「あくまで噂と俺の妄想なんで、そこんところよろしくお願いしますね。」 「分かってるよ、さっさと話せ。」 「はいはい。えっとですね────」 そして、続きを聞いてしまった俺は…… 「────と、言う噂です。ねっ、純愛でしょっ!…ちょっと、先生話聞いてました?!」 「あぁ。」 なんとか返事はしたものの、頭の中は真っ白で、 ────もし、それが本当だったとしたら、相手はショックかもしれませんよね。 真っ白な頭の中に朝比奈の言った何気ない一言だけがリフレインしている。 ショック…… それが真実ならショックどころの騒ぎではない。 だけど、あいつがそこまで俺のことを好きだったかなんて…… いや、ありえない。 つーか、単なる噂話をマジに考える俺の方がどうかしてるだろ。 動揺を紛らすように、そうやって否定的な考えを必死に植え付けようとする。 だってそうだろうよ、なんで今更そんな話を噂とはいえ第三者から聞かされなきゃならないんだ。

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