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蒼い純情 8
「でも、今日こうして小太郎さんと一緒に来れて本当に嬉しいです。ドタキャンされるかなって……思ってたんで。」
「はあ?なんで?」
「いえ、なんとなく……です。」
「別にドタキャンする理由もねーだろ?俺、てきとーだけど、約束は守るし。」
「そ……うですか。安心しました。」
なんかさっきから星川の様子がおかしい。
しかも、ずっと海ばっか眺めててさっきから一度も俺の方を見ようとしないし。
「なぁ?具合でも悪いのか?」
「え?なんでですか?」
「なーんか、さっきから心なしか元気ねーような気がしたから。あ、いや……さっきはおまえ海見てはしゃいでたからよ。」
「別にはしゃいでません。それに、具合も悪くないです。」
「じゃあ、なんでそんな……」
……寂しそうに海を見てるんだ?って言う前に、その言葉を飲み込んだ。
何故なら、
星川の横顔は、
今にも泣き出しそうな程だったから。
「……ほし……かわ?」
「……今日は、小太郎さんとずっと一緒に居たいです。こんな我が儘も、最後にしますから……いいですか?」
「え……?」
「今日で、最後にします。だから、僕と一緒に……居てください。」
最後……?
なんのことだよ?
何が最後なんだよ!?
強くなる冷たい風が頬を掠めるのにも気付かない程、俺は戸惑い、動揺していた。
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