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蒼い純情 13
「…………んんッ」
「小太郎さん……ッ」
二回目のキスは一回目よりも深くて、いつの間にか星川のペースで事は進んでいく。
だが、季節外れの海だから人気もないからといってこれ以上はさすがにマズイ。
俺の脳が危険信号を送り出し、身体を離そうとした時に更に唇を強く吸われ、一気に呼吸が苦しくなった。
「……んんッ………んんッ」
「……それ、無意識だったらたちが悪いですよ。」
「……な……にがッ……」
やっと離れた唇の隙間から息を吸って必死に呼吸を整えながら聞き返すと、そのまま呆れたようにため息混じりに耳元で囁かれた。
移動した熱い息が首筋に当たる度に、舌先が意思を持ってそこを這う毎に、徐々に身体の力が抜けていく。
「んんッ……あッ……」
無意識に俺が何をしたって言うんだ。
おまえがこんなとこでマジキスするのが悪いんだろ。
ふわふわする頭でそんな悪態を吐きながらも、こいつのキスで身体はどんどん熱くなるばかり。
マジでこれ以上はヤバい。
途切れ途切れの理性を繋ぎ合わせるように、身体を捩っても追いかけてくる星川の唇。
「嫌そうな割りにココはもうこんなですけど?」
「……ッ……なに言ってんだよっ」
口では否定しても熱いのは下半身も同じで、そこに伸びた星川の手が厭らしく動く度に俺のは形を変え、“ほら”と耳元で星川が囁く度にもっと熱さは増してしまう。
「…………や……め……」
「────と思ったのに、もう……」
そして、
情熱と冷静の間に潜む感情は……波の音が全てを消し去り、そこには俺と星川の息遣いだけが存在していった。
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