126 / 190
蒼い純情 27
始まってもいなかった二人の関係に、元通りもなにもないだろう。
ただ、二人だけで会わなくなるだけ。
ただ、身体を重ねなくなるだけ。
ただ、こうして……
星川の息遣いを感じられなくなるだけ。
それだけのこと。
なのに、
なんで、こんなに胸が苦しいんだろう。
なんで、こんなに────
「……さて、おにぎりとサンドイッチどっちがいいですか?」
コンビニ袋からそれを取り出す星川は、もう、いつも通りで……余計に胸が苦しくなっていく。
「……先生?……望月先生?」
「……おまえ………………」
「とりあえず、早く食べましょう。早くしないとチェックアウトの時間になっちゃいますよ?」
「あのさ、」
「なんですか?」
「いや、なんでも……ない」
そうだよなんでもない、
俺を“先生”と呼ぶ以外は、もう……いつも通りの星川だから。
だから、
なんでも……ない……
******
こんばんは、作者の結月です。
アトリエブログに今後の更新について記載してあります。よかったらお時間ある時に覗いてみてください。
よろしくお願いします。
ともだちにシェアしよう!