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年下の彼 13
*
────俺は、
「………………大事…だよ。おまえの方が大事。ペンケースがとかじゃない………なんか、よく分かんねーけど……」
「せん……せ……」
「洵也よりも、おまえの方が………大事っつーか、おまえと一緒に居たいって……考えて考えて出た答えがそれだった。」
ほんと、
「だから……アメリカへは行かなかった。」
……………やっぱりダメな大人だ。
「星川に今更言っても仕方ないかもしれないし、また怒られるかもしれないけど────俺はおまえが……星川のことが好きなんだよ」
散々曖昧なひどい態度とってて、今更なんなんだって罵られる覚悟は出来てる。
多分、星川はその辺はきちんとしてるから、諦めたと言われた時点でもう何を言っても遅い気がするけど、
でも、最後くらい誠意を見せたかった。
これでフラれても……
後悔はしない。
だって、
もう二度と本気の恋なんてしないって思っていたのに、
また本気の恋が出来たのは星川だったから…
何処までも真っ直ぐな想いが、俺の冷めきった汚い心を温めてくれたから…
だからこの恋が今終わっても俺は後悔はしない。
それに、
「あと────
こんな俺を好きになってくれてありがとう」
それだけはどうしても直接伝えたかった、最後に……
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