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年下の彼 15
「……ッ……おまえ………なに…してんの」
ベンチに座る俺の目の前に跪き、俺の手を取るとそのまま手の甲にキスされた。
それはまるで童話とかでよく見かける王子様がお姫様にプロポーズするみたいなあれだ。
そして、俺を真っ直ぐに見据えるとゆっくりと口を開いた。
「……あなたがそんなだから、ほっとけないんですよ。そんな顔して好きだなんて言われて……」
「あ……の…おまえはもう俺のことなんか好きじゃないんじゃ…諦めるって言ってたから…」
あんな睨まれて、怒られれば普通そう思うだろうよ。
だけど、返ってきた言葉は、
「……諦められるわけないじゃないですか。」
そんな意外な言葉だった。
そして、掴んだままの手を引き寄せられると、そのまま身体ごと抱きしめられた。
ドクドクと聞こえる2つの鼓動
それはなんだかすごく心地よくて、
そっと身体をあずけたら……
「────先生が……好き……今でも、大好きです」
そのまま耳元でそう囁かれた。
それは、
酷く懐かしくて、
何度も言われたことがあるのに、
今までで一番、
胸が締め付けられるほど、
────嬉しかった
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