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年下の彼 16

「先生…今何考えてますか?」 「え……別に。」 公園を後にして向かうは俺のマンション。 並んで歩く俺達は何故か無言で、そんな中、口を開いたのは星川だった。 「………やっぱり先輩と行けばよかったとか考えてるのかなって…」 「はぁ?なんでそうなるんだよ。」 「だって、さっきからずっと下向いたままですし……」 馬鹿かこいつは。 気持ちを自覚したら急に恥ずかしくなることとかあるだろうよ。 今の俺はまさにそれなんだから察しろっつーの。 「………別にそんなんじゃねーし。おまえ頭いいんだから分かるだろ?」 「え?分からなないから聞いてるんじゃないですか。」 「……………察しろよ。」 「え?声が小さくてよく聞こえませんでした。」 「あーもうっ、だから!恥ずかしいんだよ!そのくらい頭いいんだから察しろよ!」 「…………そ…うでしたか。」 そうでしたかじゃねーよ。 なんでそんなあっさりなんだよ。 さっき星川に“好きです”と言われ、キスの一つでもされるのかと思ったら案外あっさり身体を離された。 挙句の果てに、先生のマンションに行って少しゆっくりしましょうと言われ、言われるがまま歩き出したけど…… ゆっくりってなんだよ、ゆっくりって。 しかも、こいつこんな淡白だったっけ?ってほど、一連の流れがあっさりだったし。 で、今の返しもあっさりだし…… 「あのさ……」 「どうしました?」 マンションのエントランスホールに入り、エレベーターが来るのを待ちながら、煮えきらない俺は何となく聞いてみる。 あっさりな理由を。

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