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年下の彼 20

「……先生、今日すごいですね。さっきと同じくらい出ましたよ。」 「………はぁ…はぁ………たくッ…誰のせいだと思ってんだよ。それに!その手の中の早く拭け!」 顔を上げ、足元の星川を見下ろすと俺が出した精液はまだ手の中だった。 だから、早く拭けって言ってるのにこいつは…… 「これ、これから使うんですから駄目です。」 涼しい顔でそう言って、今まで舌を入れてた後孔に指ごと俺の出したそれを流し込まれた。 「……ッ……て、なにしてんだッ……よ……!」 「何って準備ですよ。」 「準備って……」 もしかして…… 初めてって…… 「最後までして……いいんですよね?」 「え……あ……」 指がその先へと突き進むその感覚に少しずつ自覚していく…… “先生が僕だけを見てくれるまで最後まではしません” そして、思い出した…… 何度目かの行為の最中に言われたことを。 「……先生?ダメ……ですか?」 それは…… 心が伴った時にと言われた一言だった。 「いや……」 「嫌?」 だから嫌なわけがない。 だって、今はやっと自分の気持ちに気付いたんだから。 「嫌なわけがない……だろ」 動かす指はそのままに、気付けばすぐ隣に這い上がって来た星川が耳元に唇を寄せ…… 「じゃあ……僕のこと好き、ですか?」 ……そう熱を込めて囁き吐息混じりに短く息を吐く。 そんな妖艶で甘い声に身体中の熱が上昇して、 「…………先生、言って?」 追い打ちをかけるように甘えた声で催促されるとそれは更に熱くなり毒されたように身体の力が抜けていった。 「せん……せ……?」 「………………好き……だよ。だから、早く……ッ……」 そして想いを告げ早くと口にして目を閉じると、すぐに降りてきた星川の唇に口を塞がれ…… 「たまんないなぁ……可愛い……」 キスの合間にそう囁かれ、流れるようなスマートさでかけていた眼鏡を外したかと思うと、俺を見下ろしたままフッと笑いかけてきた…… それは、これからが本番だと告げる合図のような凄艶な笑みだった────……

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