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第224話 乙女系男子
この階は雑貨屋さんが多い。
女の子の好きそうなヘアアクセサリーのお店、安価なアクセサリーショップ、本屋さんと雑貨屋が一緒くたになったお店、可愛いぬいぐるみがいっぱいのパステルカラーのお店、メイク用品のお店に、それからここは、ティー食器と茶葉のお店。
ティー食器って言ってもそれは、高級ブランドのそれとは違って、もっと身近な可愛いもの。
パステルカラーにドット柄のティーカップセットや、アリス柄の物、動物柄のマグカップも売ってる。
おしゃれなバラの形の角砂糖とか、香水瓶みたいな可愛い形の瓶に入ったハチミツとか。
……でも、うん。流石にこれはね、高校生の男が男に選ぶプレゼントじゃないってことは分かってる。
趣味もあるだろうし、流石にね、ひろたんなら似合いそうだけど斗織に当たっちゃったら、……分かってるよ、そんな顔して見ないでも。
ティーセットならポットとカップも4客ぐらいは揃えたいだろうし、そうするとお値段もかなり張る。
そうだなぁ…、紅茶の葉っぱならどうだろう。
俺は男だけど、こう言うお店が似合いっこない男だけど(大事なことだから2回言った)、結構このお店が気に入ってしまった。
このお店でプレゼントを選びたい!って思ってる。
「遼、茶葉買うならティーバッグのにしろよ」
「え?」
「ティーポットで淹れっとか、めんどくせェだろ」
そんな斗織の助言も有って、ティーバッグの入っている缶から選ぶことにした。
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