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第13話 お兄さん
毎朝同じ電車に乗る。
通勤ラッシュの電車は混んでてどの車両に乗っても同じだから、改札入ってすぐのとこ。
そうすると、毎日 顔見知りのお兄さんが「おはよう」って言って、俺を安全な窓側に連れてってくれる。
俺は身長的にはそんなに小さくないけど、筋肉質じゃなくて細いから、どうやら心配になる見た目をしているらしい。
揺れた拍子によろけちゃって、女の人に支えてもらった事もある。
「もっとちゃんと食べなきゃダメよ」って心配されて、ちょっと恥ずかしかった。
お兄さんは、スーツを着てるからサラリーマンの人だと思う。
俺よりも背が高くて、…う~ん、そうだな…丁度羽崎ぐらいの身長。180cm無いくらい?
黒髪で、顔は整ってて、笑顔が優しい。
初めはほんとに、普通に守ってくれてた。
背の高い人達に囲まれて、キュ~ってなっちゃってたところを、大丈夫?って救い出してくれたんだ。
暫くそうやって守ってくれてた優しいお兄さんが変わっちゃったのは、俺のせいだと思う。
電車がカーブで揺れた時だったかな?急停車した時だったかも。
そんな何かの拍子に支えてくれようとした手にお尻をムギュって掴まれて……!
事故だったのに。お互い変な意味なんて無かったのに…
俺、思わず変な声をあげちゃったんだ。
それから、お尻を触られるようになって、徐々に前まで。
丁度1週間前から毎日、布越しにイカされるようになってしまった。
今週からは下着持参で、降りた後 駅のトイレでパンツを穿き替えてる。
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