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第23話 触られるなら

4時間目終了のチャイムが鳴る。 いつも通り一人で屋上に行くつもりで廊下に出たところ、出口近くで背後から手を引かれた。 「遼、購買行ってくるから待ってろ」 「はい」 振り返りながら、思わず従順に返事してしまう。 頭をポンと撫でて、斗織はリューガくんと一緒に階段を下っていった。 大きく手を上げるリューガくんに手を振り返して、自分の席に戻る。 なんでだろう? 斗織から命令されると、どうしてだかつい「はい」って頷いちゃう。 条件反射? お弁当を膝に置いておとなしく待ってると、 「紫藤っ!」 隣の席から、ちょっと興奮した様子で呼び掛けられた。 「今日は教室で食べんのか!?」 どうしたんだろう? 中山が、ちょっと暑苦しい。鼻息荒いって言うか。 「ううん、斗織が購買から戻って来るの待ってる」 首を振ると、見て分かるくらいにガックリと落ち込んだ。 なにか、話したいことでもあるのかなぁ? ……あっ、朝の話、詳しく聞きたいとか? 「斗織とりぅがくんも一緒で良ければ、中山も…」 「食べる!」 「あ、…うん。じゃあ、一緒に食べよう…」 ほんとに、どうしたんだろう、中山? ……まさか、友達にハブられてて、他に一緒に食べる人が居ない? いつも友達と一緒だったから、一人で居るのが怖い? 「中山、…その、……大丈夫?」 虐められてるの?とは訊きづらくてそう訊ねると、中山は、 「あっ、ごめん!大丈夫!」 慌てたように返事して、イスに深く座り直した。 やっぱり、少し変。 「俺で良ければ話、聞くけど」 重ねて訊いてみれば、中山は話し辛そうにちょっと唸って、それから思い切った様に逸らしていた視線を合わせてくる。 「紫藤!」 「あ、はい」 また、身を乗り出してきた。 中山の距離感が近いのには慣れてきたけど。 やっぱり触られるなら斗織がいいなぁ…。 握られた手を見やりながら、そんな事を思う。 「ホントに羽崎と付き合ってんの!?」 「え?あ、うん」 あれ?これって、中山のイジメ相談じゃなかった? なんで俺と斗織の話になってるんだろう?? 「無理矢理…とかじゃなくて!?」 「え、…えぇっ!?」 「紫藤君っ!その話、僕にも聞かせてもらえないでしょうか!?」 突然左側からくっつけられた机。 そうして話に加わってきたのが、級長だった。

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