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第59話 食っていい?
身体を抱き寄せられて、正面から 腿に跨るように座った。
「こうすっと、お前の方がデカいのな」
「小さい子が良ければ、女の子かりぅがくんをどうぞ」
「どうぞって…」
なに笑ってんだよ…。
口を尖らせると、抱き寄せられた。
「お前がいい」
耳元に、囁きかけられる。
「でも、終業式には別れるんだよ?」
「なんで別れんだよ」
耳の横の髪を、くるくるって玩ばれる。
それされちゃうと、また髪の毛くるくる巻いちゃう。
「とおるぅ…かみ、やぁ…っ」
「髪触られるだけで感じる相手なんて、もう会えねェぞ」
うぅ…確かにすごくゾクゾクして、感じちゃってるんだけど、そうじゃなくて……
俺が言いたいのは、髪が巻いちゃうってことで…
「エロい顔」
はっと笑って、唇を押し当てられた。
「んっ…ふぅ……やぁんっ」
耳の後ろを擽られて、変な声が漏れる。
「なんで遊ぶんだよぉっ!」
色んな所をさわさわと擽ってくる指先に文句を言うと、含み笑いした唇で、耳をはむ、と食まれた。
「遼、…何処まで食っていい?」
ゾクリ、と背筋が震える。
「っても、俺も用意してるわけじゃないから、前だけな」
「……はい」
ぐっと腰を抱き寄せられて、初めて気付く。
俺のだけじゃない。
斗織のも…おっきくなってる……。
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