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第6話

アキくんはカッコイイ上に優しくて、いつもニコニコしていて、人妻を相手にデートをするようなよくわからない職業で、若くないけど若く見えて、僕のことを好きだと言ってくれて、僕の恋人で、 …………で。 「ケンジせんせ、可愛いね」 謎のシチュエーションでプレイを始める、今までの僕の人生で出会ったことのないタイプの男。 「これ、いつまでやるの?」 恥ずかしいから、顔を見られないように彼を引き寄せて顔を首筋に埋めてみる。 「ケンジさんが恥ずかしがってるから止めない」 「ドSか」 少しだけ腕を緩めればなんちゃって高校生のアキくんで、僕はスーツ、なんだか変な気持ちになってきた……ような気がする。 「Sじゃないよ、どちらかというとМだよ」 慣れた手つきで彼にネクタイを緩められ、ボタンをひとつひとつ外されていく。僕にはそれを止める理由は無い。 「そんなわけないだろ」 「耳が赤い」 そう言われて無駄だと分かっているのに、思わず下を向いた。 「……そういうことを言わないの」 「こっち向いてよ」 「やだ」 「それなら勝手に始めちゃうよ」 僕の額に彼の熱くて柔らかな唇が当てられる。ジャケットを落とされて緩めたネクタイがだらしなく垂れ下がってシャツのボタンも中途半端に開けられたまま、彼の掌が僕の素肌の上を滑った。 「ケンジさんは乳首、すっごく弱いよね」 「んんっ……」 触らずとも自分でも分かるくらい立ち上がったそこを指の腹で撫でられた。 「ピンク色で可愛い」 「言う事が変態ク、サイ……ああんっ」 漏れた言葉を今更飲み込むように掌で覆う。 「我慢しなくていいよぉ」 ニヤニヤ笑うその顔は、完全に高校生らしさが皆無なはずなのに僕の引き抜かれたベルトと脱ぎ捨てたズボンが床に落ちて、案外彼は今切羽詰まっているのかなあと嬉しくなった。 アキくんがカッコ可愛い。 僕は彼のギラギラ光る獣のような瞳に囚われている。

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