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第2話
君の勝手な所は時に楽しくて時に嫌なときもあって。
覚えてる?はじめてのデートの時二人で約束下のに来なかったこと。結局寝てしまっていたんだよね。でも、そんなところが愛しくて。
結婚できると言うことを聞いたとき外国へ行ってしようと言う君の願いを叶えてあげられなかった。結婚もしたかったはずなのに。ごめん俺が決断できなかったから。こんな素敵な人に会ったことがなかったはずなのに。
そして今君は病院で入院している。治らない病気でこんな事になるなら会わなければ良かった。なら俺が病気になれば良かったのに。好きな人の死に姿は見たくないから。
おまけに君は「俺が、死んだら新しい人見つけろ。」なんてカッコつけて言っちゃって。でもそんな事できないから。俺は死ぬまで君の恋人だったことを忘れたくないから。
出会ったのは今から五年前だった。
その瞬間から恋の歯車は回り出していた。
当時大学生だった俺は友達も出来ず、内気な性格でそれを変えてくれたのが優。君だった。
「ねぇ僕と友達にならない?気になってたんだよね、君の事。」
最初は何だこいつって思っていた。
「いいんですか。僕なんかで。」
優は誰よりもじんぼうがあって、人気者でこんな俺なんてふさわしくないと思っていたから。だけど、この人なら変えてくれるかもしれないって優しいところに惹かれ始めていた。
ある日君は言ったよね。
「要。好きなんだ。付き合って下さい。」
「優。俺も好きだったよ。最初の頃はチャラ男なのかなって思っていたんだ。でも実際違くて惹かれていたひとめぼれでした。」
「要ありがとう。ぼくのことを拒絶しないでくれて。」
「バカ。拒絶するわけないだろ。」
「いいの?こんな僕でも。」
そう言った優の身体には痕がついていた。
「僕さ、体売っていたんだ。汚れてるって思うよね。」
「いいや。だって優なりの理由があったんだろ?」
「うん。」
「だったらこれからお前の事を塗り替えてやる。いくらでもな?」
「ありがとう。僕の事愛してね。」
「愛してって…付き合ってからいくらでも愛するよ。」
友達から恋人になることは簡単ではない。でも好きっていう気持ちがあるんならいくらでも可能性は広がっているから。
でも、幸せのままで良かったのに。残酷で。
運命って抗えない。決まってしまっているから
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