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第3話 優の思い1
こんな体になっても愛してくれるだろうか?要は。
動けなくなって、死にそうになっているぼくを捨ててしまわないだろうか。こんな弱気になって僕らしくないな。こんな気持ちになるのが全部恋の病だったらって何回も思った。でもれっきとした病気って気づいてしまうのが嫌だった。
病気になったことを要に伝えたとき泣きそうな顔をしていた。
その日、ずっと体調が悪かった僕は、病院に行っていた。
「優どうだった?病院。」
「それが、僕病気みたい。しかもガンだって。
もう末期だって。」
「もう、こうやって喋ることもできないのか?」
「まだ、できるよ。でも明日一緒に来てくれる?病院。」
「信じたくない。なぁ、俺たちって幸せになれないんだね。」
「みんなが幸せなのにどうしてなんだろう。」
「あと何回好きって愛してるって言えるんだろう。じゃあこうやって話すのも最期かもしれないのか?
「人聞きの悪いこと言わないで。俺だって俺だって悲しいんだよ。」
「ごめん。本当に辛いのは嫌なのは優なのにバカなこといって。」
「こっちこそごめんね。まだ信じられなくてさ。最後に思い出とか作りたいね。」
「今からでも行くか?始めてあった場所とか。」
「そうだね。」
一つ一つの言葉を話すために胸がチクチクと痛んだ。こうやって面と向かってケンカすることもないのかなって思ったりして苦しかった。何かをするのが最後とか何て嫌だ。寿命をまっとうして死んで逝きたかった。
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