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毎度毎度の事ながら、月末間近になると途端に周囲が慌ただしくなる。 それは、ここ氷室重工も漏れなくなのだが、立て続けの折衝に走らねばならない男、氷室龍嗣は深く溜め息をついた。 国際宇宙ステーションに後付けする研究施設。 宇宙線や放射線がバンバン飛び交う環境でもある。 特に女性クルーは将来子孫を残していく事への不安も出てきてしまう。 そこで、完全にそれらを遮断できる外壁を備えたラボという要望を受けたのが昨夏…。 試行錯誤を経て完成した研究ラボを丸ごと米国へ搬送するにあたり、技術統括を務める璃音がついて行かねばならなくなったのだ…。 そう。 ただ簡単に届けるだけの話だったのだ。 …最初は。 「単に届けるだけで一ヶ月かかるとはな…」 普段寝起きを伴にし、仕事も隣の部屋でしていた。 片時も離れないようにしていたのもあり、一ヶ月も離れたままで連絡も完全遮断されてしまっては、苛々どころか悶々…いや、ムラムラが止まらないではないか。 龍嗣はデスクに突っ伏して最愛の人を思い浮かべた。

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