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口実探し。

「あね、き、さん。ですか……?」  これは、いったいどういうことでしょう? 「実は、棗くんに弁当を食べてもらっていたの、料理の研究のためじゃなくて……その、君と会うきっかけっていうか……」 「?」  楓さんは、いったい何がおっしゃりたいのでしょうか?  ぼくにはよくわかりません。  首を傾げていると、楓さんは赤くなった頬をポリポリと掻き、また口を開きました。 「ここ数日間、会えなくて。君がジョギングコースを変えたのって、俺の所為だよね。嫌われたのかと思って……」 「違っ!!」  ぼく、楓さんを嫌わない。  好きなんです。嫌えないです!!  ぼくがすぐに否定したら、楓さんは大きくうなずいてみせた。 「うん、姉貴に相談したら、ジョギングしている理由を指摘されたんだ。棗くん、ぽっちゃりしていて、目がクリッとしているし、すごく可愛いから。棗くんが何にコンプレックスを抱いているのかとか、俺、全然気づかなくて……」 「うえっ!?」  楓さんの口から、なんだかとってもおかしな言葉を聞いたような……。  可愛いとか、きっと、ぼくの聞き間違いですよねっ!!  瞬きを繰り返していると、楓さんはとっても真剣な顔をして、ぼくの両肩を掴んだ。 「俺、君の事が好きなんだ!!」  うぇええええっ!?  今度は聞き間違いではないようです。 「あのっ、あの!! だってぼくは青虫で、蝶にはなれなくて……」 「え? 青虫? ……えっと、俺にとっては君はすでに蝶だけど?」  うぇええええっ!?  ど、、どどどどどっ、どうしましょう。

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