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Love too late:募るキモチ(歩目線)

 タケシ先生と付き合って、一ヶ月以上が経っていた。スキと言うのは、相変わらず俺のほうから。抱きつくのも話しかけるのも、何もかも俺から―― 「押し倒せとは言わないけど、ちょっとなぁ……」  自室にて机に向かい、渋々勉強をしている最中、苦手な問題にぶち当たると、タケシ先生のことをなぜか考えてしまうのだ。 『タケシッタケシッ! キュピピッ』  俺の思いを代弁してくれたのか、ペットで飼っているオカメインコのオカメちゃんが、タケシ先生の名前を、ウザいくらいに連呼し出した。  自分が言ったワケじゃなくても、名前を聞いただけで、じーんと胸が痛くなるって、どんだけタケシ先生のことをスキなんだろう。  スキだから求めてしまう。なのにタケシ先生からは、一切そういうのがなくて―― 「しかも今日で五日目だぜ、連絡取ってないの」  試してるんじゃないけど、どれくらい連絡しなかったら、自分からアクセスしてくるか待ってみているんだが。 「今まで付き合ったヤツの中で、これは最長記録だ。音信不通にしてて、平気なのかよ……」 (それだけ、どうでもいい存在なのかな、俺って)  いろんなヤツと付き合ってきたけど一日以上、連絡が取れなかったことはなかった故に、どうしていいか分らない。自分から連絡するのは、そりゃ簡単だけど―― 「それじゃあ、根本的な解決にならないんだ」  机に突っ伏したら、じわっと涙が浮かびそうになる。俺だけタケシ先生に熱を上げてるみたいで、すっげぇ滑稽だったから。 『タケシッスキスキ! タケシタケシッ、キュピッ!』  大人だから寂しくない……なんてことはないハズなんだ。なぁんて自分に言い聞かせてる。  アプリで、メッセをしてくれと強請っても。 『そんな面倒くさいこと、俺はやらない主義なんだ』  メールくらい、してくれてもいいじゃんと強請っても。 『くれても返事を確実にする保障は、ないからな』  すっげぇ乾いた声色で、あっさりと拒否られて、もう打つ手のない状態。俺を寂しさのどん底に突き落とすって、どんだけドSなんだよ、あの人は。  想いが募っていくとともに、不安も部屋に溜まっていくホコリみたいに、どんどん積もっていった。

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