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進撃(いや喜劇…いやいや悲劇!?)の学会12

*** (うぅ~まだか、まだなのか……)  あの後コンビニに赴き、お菓子や夕ご飯を買って用意されていた部屋に向かった。  スマホをいじったりテレビを見たりして時間を潰していたが、タケシ先生のことが気になりすぎて、内容がまったく頭に入ってこない始末――。  お酒が入るといつもより愛想が良くなるので、もしかすると誰かに言い寄られている可能性だってある。だってタケシ先生ほどのイケメンを放っておく女は、まずいないと思われる。  恋人がいないと分かった途端に擦り寄って、少しでも仲良くなるべく積極的に話しかけるだろう。  しかも傍にはあの御堂がいる。俺の目が届かないのをいいことに、ここぞとばかりに迫っているかもしれない。  どんどん膨らんでいくありえそうな妄想で頭が押しつぶされそうになっているうちに、ベッドの上でウトウトしてしまった。  どれくらいの時間が経ったのか――扉を激しくノックする音で目がぱっと覚めた。  急いで飛び起きて鍵を解除してドアを開けたら、着ているスーツが血まみれになっているタケシ先生と御堂が並んで立っているではないか。 「ちょっ、どうしたんだよふたりとも!」  俺の問いかけを無視したまま、さっさと中に入っていくタケシ先生。らしくないその様子を見ていたら、御堂も中に入ってきた。 「宴会の帰り道で、通り魔に襲われてケガをしている通行人に遭遇した。そのせいでこの有様になったんだ」  扉を閉めてタケシ先生のあとに続いた御堂が、丁寧に説明してくれたのはいい。タケシ先生と俺のためにこの部屋を用意していた御堂が、どうしてここに入るなり、着ているスーツをポイポイ脱いでいくんだ? 「王領寺くん、どうした? 不満そうな顔して」 「どうしたなんて……。御堂さんが何で、ここにいるのかなと思いまして」  ジト目で質問に答えた俺を見て、してやったりな顔をした御堂が憎たらしくて仕方ない。 「だって最初から周防とここに泊まろうと思って、リザーブしておいたんだ。君が来ることなんて知らなかったし」 「あぶねー! やっぱりタケシ先生に手を出そうと、ちゃっかり企んでいたんじゃないか!」  キーッと怒ってみせたら、御堂のヤツは苦笑いを浮かべながらまぁまぁというジェスチャーを両手でした。

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