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―― 出逢えた幸せ(3)
***
みっきー達を見送って、透さんのマンションまで帰る車の中、他愛ない会話をする時間も楽しくて幸せ。
運転する透さんの横顔や、ハンドルを握る手にも、気が付けば見惚れてしまったり。
そんな俺に気が付いて、伸びてきた透さんの手が膝の上で俺の手にそっと重なって、指を絡めて繋いだりして、今でもこんなにドキドキさせられる。
俺、透さん好き過ぎでヤバいって、自分でも思う。
「今日、夕飯は何を食べたい? 後で買い物行こうか、それとも外で食べようか」
マンションのエントランスで、透さんはポケットの中に入れた鍵を探しながら、隣に立っている俺に優しい眼差しで視線を合わせた。
「あ、待って! 透さん、俺が開ける! 」
俺はマンションの合鍵を貰ったのが嬉しくて、使いたくてしょうがない。
透さんに貰った、星が散りばめられた宇宙のような、クリスタルのキーリングに付けて、肌身離さず持ってる。
エントランスの鍵を開けながら、部屋に入ったら、まずキスして、それからイチャイチャして、外に食べに行くのもいいけど、一緒に料理とかもしたいから、買い物行かないと駄目かなー、とか考えてる。 考えただけで、顔が自然に顔が緩んでしまう。
「ニヤニヤして、何を考えてるの? 直くん」
でも俺の心の中なんて、透さんには簡単に見透かされていて……、エレベーターを降りて、透さんの部屋に入ってドアを閉めると、すぐに引き寄せられて唇を奪われた。
ちゅっと、音を立ててすぐに離れる唇。
抱きしめあったまま、至近距離で見詰め合って……、
「透さん、好きだよ」って、俺が言うと、
「俺も好きだよ」って、言ってくれる。
そしてまた、軽く触れるだけのキスをして……。
「俺、透さんに出逢えて、透さんの事を好きになってよかった」って、俺が言うと、
「俺もだよ」って応えてくれる。
でも、言葉では伝えきれないんだ。
言葉で伝えきれない気持ちは、これからずっと一緒に過ごして、毎日少しずつ透さんに伝えていく。
―― 透さんに出逢えて、一緒に過ごせることの幸せを……。
出逢えた幸せ end / + to be continued → →
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