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 ―― 君の初めては全部……(1)

 ベッドの軋む音が、段々と大きく聞こえてくる。  律動が加速して、俺は透さんの下で激しく揺さぶられて、   「…… あっ、あっ、…… やっ、ま……って…… 透さっ」  またあの怖いくらいの快感に、身体中が侵食されていく。 「はっ…… あっぁ、駄目…… も…… っ、」  目の前が眩んで、透さんの肩に縋りつきたくて手を伸ばした。 「…… また、イきそう?」  少し余裕のなくなってきた切ない声でそう言うと、透さんは俺の手を掴み指を絡めて、シーツに縫い止める。  のし掛かるように体重を掛けてきて、噛み付くような激しいキスに息を吐く余裕も無くなってく。 「…… っは」  僅かに唇が離れた瞬間に、やっと空気を取り込めば、まだお互いの唇が触れる程の距離で少し掠れた声が囁く。 「じゃ、一緒にイく? 」  透さんの表情も余裕が無くなってきている。  荒い息を吐きながら、コクコクと頷けば、透さんは黒い瞳を細めて艶然な微笑みを浮かべた。 「あっ、あ…… ん、ん、まっ、ーーっ、」  仰向けで足を持ち上げ、太股が胸に付くほど体を折り曲げた状態の俺を、透さんは膝立ちで、上から激しく突いてくる。  感じる場所を執拗に抉られて、体内で甘い熱が広がって、頭の先からつま先まで侵されていく。  吐精感とは違う、押し寄せてくる快感の波。  めちゃくちゃ気持ちよくて、めちゃくちゃ怖くて、呑み込まれそうになるけど、何せ気持ち良くて、俺は嬌声を上げる。  透さんの迸る汗が肌に落ちる感触に見上げれば、切羽詰まった表情で俺を見下ろす熱の篭った眼差しと視線が絡んだ。    ―― ああ…… 俺、透さんのこの時の表情がすげえ好き。  そう思った瞬間、覆い被さってきた透さんに唇を塞がれた。  咥内でお互いの熱が混ざり合い、深く口付けた唇の隙間から熱い吐息が漏れて、周りの空気の温度も上がる。  唇を塞がれたまま、律動が更に加速して、激しく突かれて揺さぶられて、ビクビクと震える身体。  俺は手を伸ばして透さんの首にきつくしがみ付く。 「…… っふ…… んぅ、…… んんーーーっ」  身体中を駆け巡る甘い痺れに、目の前が真っ白になって、何も考えられなくなって……、絶頂へと駆け登る。  身体の奥で、ゴム越しに透さんの熱が吐き出されて、ドクン、ドクンと、数回脈打つ感触にさえ、俺の身体は快感を拾って、ビクビク震えちまう。 「…… 直…… 」  熱い吐息と共に落とされたキスも気持ちよくて、俺は身体から消えない甘い余韻に浸っていた。

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