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 —— 君の初めては全部……(2)

 透さんの汗ばんだ背中を抱きしめて、まだ熱を帯びているお互いの肌をピッタリと密着させていられるこの時間がすごく幸せで。  —— このままずっとこうしていたい ——  なんて思っていたら、透さんがゆっくりと上体を起こして身体が離れてしまう。 「…… あ…… っん」  ズルリと、俺の中から透さんのが抜けていく感触にも、また敏感に身体が反応して、思わず甘い吐息が漏れた。  透さんと離れてしまった肌がスースーして、なんだか寂しいなんて考えちゃってる俺って、どんだけ乙女だよっ! って、思うけど。  ベッドの端に座ってゴムの処理をしている透さんの背中がすごく遠く感じて、やっぱり寂しい。 「…… 直くん、大丈夫?」  目を閉じて余韻に浸っていると、少し冷んやりした手のひらが、火照った頬を優しく撫でてくれる。 ほら、離れても、こうしてすぐに傍に来てくれるんだから、ちょっと離れただけで寂しいなんて思っちゃう俺って、ホント可笑しいなって、自分でも笑える。 「ん〜〜」  キスが欲しくて、目を閉じたまま透さんの首にしがみ付こうとしたのに、そこに透さんがいなくて、伸ばした手が空中で彷徨って……、 「あっ、っん?!」  いきなり俺の息子を握り込まれる感触に、驚いて目を開けた。 「直くん、どうする? 取り敢えず出す?」 「…… へ…… ?」  透さんに問われて、思わず変な声が出ちまった。  頭だけ起こして下を見れば、俺の息子はまだ元気なままで、先端から零れた透明の液で、テラテラに光ってる! 「あっ…… ぅっ」  俺の返事を待たずに、透さんの手が先走りを塗り広げながら、それを上下に扱き始めた。 「っ…… あっ、あん…… んっまって、まって」 「なんで?」  さっきドライでイったばかりで、身体全体が性感帯みたいに鋭敏になってて、それでそこにその刺激を与えられたら、もう速攻出してしまいそうなんだけど! 「いいよ、イって……」  なんだか愉しそうな声で、口角を上げながら、透さんは手の動きを速めていく。  溢れ続ける先走りがクチュクチュって、卑猥な音を立ていて、その音がどんどん激しく大きくなっていく。 「—— っ、あっーーっ」  そして俺はイってしまった。 もう、本当に恥ずかしいくらいに呆気なく……。 ビクビクと身体を震わせながら……。  自分の意思では止めることなんて出来なくて、勢いよく吐き出してしまった熱が、大きく体を仰け反らせて突き出した胸や顔にまで飛んできて……。 「いっぱい飛んだね」  —— って、あのいつもの色気ダダ漏れな微笑みを浮かべながら、透さんは白濁の飛び散って汚れている俺の肌に唇を寄せた。

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