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 ―― Moonlight scandal(5)

 離れていく透さんのと、俺の唇の間を、名残惜しく銀糸が繋ぐ。  俺の濡れた唇を、親指で撫でながら、「駄目だよ、そんなの着けたまま舐めちゃ不味いでしょ?」  指が唇を割り開いて、そのまま透さんの唇に塞がれる。  やっぱり何も付けないで、直接透さんを感じる方がいいに決まってる。  濡れたように光る、漆黒の瞳を細めながら、薄く開いた唇の間に、滑り込んでくる透さんの舌。  咥内を探るように、撫でていく透さんの舌は、最後に俺の舌を絡め取ると、痛いほどに吸い上げた。 「…… ッ!」  痛さに顔を歪めると、やっと唇を解放される。 「い、痛いよ、透さん……、」  情けない声を出して、透さんを見上げると、 「これで、不味いの消えたかな?」って、悪戯っぽく微笑む。 その顔が、ゾクゾクする程色っぽくて、また下半身に熱が集中していく。 「べ、別に、不味くなんか…… ぁ、ん……」  噛み付くように、俺の唇を貪りながら、ベッドに押し倒されて、言葉なんか最後まで言わせてもらえない。  いつも、俺が透さんを、ちょっとでもリードしようと試みても、いつの間にかこうして、逆転される。  今も、何か、透さんのスイッチを押してしまったようで……。  激しく突かれて、揺さぶられて、ベッドが軋む。 「—— あっ、…… んッ、…… ぅッ、と…… るさ、ぁ、ん! 激し…… っん…… ッ……」  揺さぶられるリズムに合わせて、漏れる俺の声を透さんのキスが塞ぐ。 一番感じる処を何度も抉られて、限界が近い。 「—— ッ、ふぁ…… アっ、イッ…… くーーッ」  重なった唇の隙間から訴えた直後、閃光が走って真っ白になる。  ほぼ同時に、耳元で透さんの小さい呻き声が聞こえた。 収縮を繰り返す身体の中で透さんのが脈打っていて、次の瞬間透さんの身体の重みを全身で受け止める。  汗ばんだ身体を抱きしめあって、お互いの鼓動を感じる。  —— この瞬間が一番好き。  二人の魂がひとつになれたような気がするから。  快楽だけじゃなくて、心が満たされる瞬間。  透さんに出逢うまで、知らない感覚だった。  ******

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