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 —— 幸せのいろどり(11)

 横向きに向かい合った顔に、熱い吐息を感じながら、先走りを塗り広げるように互いのを扱きあう。  直くんの呼吸と、手の動きが速くなってくる。  伏せた睫を震わせて、眉間に皺をつくり、唇から快感を逃すように漏れる直くんの声にどんどん煽られていた。  硬く勃ち上がった直くんの中心が、脈打ち、血管が浮かび上がっている。 俺も似たような状況で、もう限界が近かった。  だから、絶頂へと導くように俺も直くんのを扱く手を速めて、強めに擦り上げた。 「…… あっ…… とおるッ…… さんッ…… も…… ッ いきそっ……」  掠れた声でそう訴えながら、俺の手の動きを止めようとする直くんの手を捕まえて、唇を押し当てた。  ―― もう、俺も余裕がない。  直くんの身体を仰向けにして、覆いかぶさるようにして唇を塞いで、二人分の熱を、一纏めに掴んで上下に擦った。  触れ合う直くんの肌の体温が一気に上がり、全身に汗が滲み出ている。 「はぁ…… ッ…… も……! ぃくっ……」  塞いだ唇の隙間から、切羽詰まった声で訴えてくる。  眉根を寄せて、押し寄せる快感に耐えている直くんは、まだ18歳の男ということを忘れてしまいそうになるほど、妖艶な色気を放っていた。 「イッていいよ、直…… っ」  そう言って、更に手の動きを速め、射精を促すように蜜口を爪で刺激した。 「…… くッ!」  手の中の直くんのが、ドクンと波打ち白濁を放つ。  びくん、びくんと、腰を震わせて、数度に分けて俺の手の中に熱い液体を吐き出した。  身体を弛ませていく直くんの顔を見ながら、俺も自分の手の中へ欲を吐き出して、そのまま直くんの身体の上に、自分の重みを預けるように落ちていった。  身体を重ねたまま、そっと直くんのこめかみにキスを落として、視線を合わせる。  熱を持った荒い息を吐きながら、ぼんやりと見上げてくる快楽に堕ちた濡れた瞳が扇情的で……。 「たくさん出たね」  手の中に受け止め切れない二人分の白濁が、指の隙間から直くんの鳩尾に、零れ落ちている光景が、堪らなく淫らで……。  もっと先へと、逸る気持ちを止める理性は、もうどこにも残っていなかった。

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