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—— 幸せのいろどり(12)
達したばかりで、まだ息の荒い直くんの唇に、触れるだけのキスを落とし、身体を下肢へと移動させていく。
火照った直くんの太股へ唇を押し当てれば、ピクリと全身で反応する。
足を開かせて、奥へ向けて内股に舌を這わせていけば、まだ誰にも汚されていない綺麗な蕾へ辿り着く。
そこは、俺の邪な欲など受け入れるのを拒んでいるかのように、硬く閉ざされていた。
窪みの周りを、円を描くように舌を這わせれば、漸く、何をされているのか分かったように驚いて、直くんは反射的に上半身を起こそうとする。
「えっえっ……! んなっ…… だめっ!」
慌てて逃げようとする細い腰に、腕を回して引き寄せた。
「そっ…… そんなとこ、舐めないでください……。 き…… 汚いしッ」
「…… 大丈夫」
宥めるようにそう言って、笑いかける。
なるべくなら苦痛を与えたくなくて、その場所を執拗に舐め、硬い蕾の中へ浅く舌を侵入させて、たっぷりと唾液を其処へ含ませた。
「あぁ…… ッ…… ン」
気持ちいいのか、甘い掠れた声を零しながら、直くんはまたベッドへ身体を沈めていく。
感じてくれている事に安堵しながら、手に受け止めた白濁を指先に纏わせて、後孔へ塗り込むように沈めた。
「あっ…… !! …… っ!」
挿れた途端、キツく吸い付くように俺の指を締め付けてくる。
「痛い?」
やっぱり、ローション代わりになるものを用意すればよかったかなと、心の中で後悔する。
苦しそうに息を吐きながらも、声を出さずに小さく頷く直くんの、額にかかる細くて柔らかい髪を、梳くように掻きあげてやると、スルスルとした感触で指の間を滑り流れていく。
明らかに無理をさせてしまっている後ろめたさを感じるけれど、それ以上に……。 苦痛に顔を歪ませながらも、耐えて、受け入れようとする姿に、また煽られてしまう。
早くその先へと、逸る心を抑えながら、時間をかけてゆっくりと中を解していった。
「あああっ…やっ…」
前立腺を探り当て、そこを何度も責めいけば、さっきまでの苦痛を含んだ声とは違う、甘みを帯びた声を零して、直くんは身体を震わせた。
いつの間にか萎えていた直くんの半身が、また勃ち上がって透明の雫を溢れさせている。
内股を伝う雫と、中の白濁が混ざり合い、指を動かすたびに、卑猥な水音が部屋に響く。
蕩けそうな濡れた瞳は宙を見つめて、無意識なのか、俺の指に自分の感じる処が当たるように、腰を揺らしていた。
「気持ちいい? 腰が揺れてるけど」
その瞳に視線を合わせて声をかけると、恍惚とした表情で、「きもち…… いい……」と、直くんの唇が動いた。
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