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—— 幸せのいろどり(13)
快感に身を委ねて、感じるままに声をあげて、潤んだ瞳で俺を見上げて、手を伸ばす。
その手に俺の指を絡めて、目尻から零れる涙を舌で掬う。
最初は興味本位で、女の子と経験豊富な直くんが、どんなセックスをするのか…… なんて、考えて。 抑えきれない衝動に駆られて、手を出してしまったけど。
相手は10歳も年下の男の子で……、手を出すべきではないと、頭では分かっていた。
途中で止めることも出来たのに、そこで止めなかったのは、触れているうちに、俺の方が嵌ってしまったから。
大人びたふりをして、精一杯背伸びをする直くんを、本当は不安なのに、それでも求めてくる直くんの事を、いつの間にか、愛おしいと感じていた。
今日初めて出逢ったばかりの、男同士で……、そこに愛なんて、ある筈はないと思っていたのに。
きっと直くんにとっては、ただ流されてしまっただけで、男の俺の事を、本気で好きになるはずないと、分かっている。
— だけど……。
それなら、このまま快楽に流されて、俺に抱かれた事を、忘れられなくなってくれたら……。
愛なんて、永遠に続くはずのないものだけど、それでも今だけでも……。
痛みも快楽も全て、忘れられなくなればいい、なんて思ってしまう。
誰にも穢されたことのない、その蕾をこじ開けて、男の欲を、ねじ込んでいく。
何か言いかけた、直くんの唇を塞いで、「大丈夫だから……」と、不確かな言葉を甘く囁きながら。
痛みに整った顔が歪み、身体を硬く強張らせ、侵入を拒むように締め付けてくる。
「なお…… っ、力抜いて」
強張らせた身体に舌を這わせて、胸の突起を甘噛みすれば、「は…… ぁあ……」と、熱い息を吐き出して、強張った筋肉が少しだけ弛む。
直くんの下腹部に手を伸ばして、痛みで萎えたそこに刺激を送り続けた。
「あ…… っあ…… は…… っ」
前への刺激に、気持ち良さそうに反応を見せた事に安心して、俺は腰を進めていった。
入り口のキツさに、息を吐く。
「き…… つい…… ッ」
思わず言葉を漏らせば、下から俺を見上げる直くんと目が合った。
—— また…… 苦い記憶が頭を過ぎる。
苦痛に歪んだ直くんの顔が、昔の自分と重なってしまう。
どうしようもない、後ろめたさが 襲ってくるけれど、それを振り払うように、細い腰をぐっと引き寄せて、直くんの最奥へ、一気に男の欲望を突き入れた。
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