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—— 幸せのいろどり(15)
達した後も未だ震える身体を抱きしめると、直くんは荒い息を整えながら、俺の肩に顔を埋める。 肌にかかる熱い息遣いを感じながら、汗ばむ首筋に唇を寄せた。 お互いの密着している、火照った肌が心地よい。
肩に埋まったままの顔を上げさせて、濡れた唇から舌を割り挿れると弱々しく直くんの舌が反応する。 それを柔らかく吸って、下唇を甘噛みして、僅かに顔を離して目を合わせれば、とろんとした瞳が俺を映している。
「…… 直くん?」
反応が薄いことに心配になって、繋がった身体を離そうとすると、直くんはまた俺の肩に凭れながら、強請るように掠れた声で呟いた。
「…… まだ……、もう少し、このままでいて……」
「…… いいよ」
そう応えて、直くんの力の抜けた身体を、もう一度抱きしめた。
**
どれくらいの時間、そうしていただろう。 ふと、窓の外に目をやると、カーテンの隙間から雪がちらついているのが見える。
「直くん、外、雪が降ってるよ」
話しかけても、反応がない直くんの顔を覗き込めば、「…… ん……」とだけ息を漏らした後、規則正しい寝息を立てている。
「直くん? 眠ったの?」
よっぽど疲れさせてしまったのか、このままの体勢で寝てしまうなんて。 思わず口元を緩ませて、そっと繋がった身体を離すと、また、「んん……、」と、吐息のような声が漏れた。 さっきまで妖艶な色気を漂わせていたのに、眠っている顔は、本当にまだあどけない。 無理をさせてしまった事に、後悔してしまう。
10代の、それも男の子に、簡単に手を出していい筈はなかったと……。
—— このまま、ゆっくり寝かせてあげたいけれど、
「…… 直くん、シャワー浴びた方が良いと思うんだけど……」
問いかければ、「…… うん、」と、小さな返事が返ってきて、取り合えず身体を支えると立ち上がってくれる。 寝ぼけているのかもしれないけれど、そのまま直くんをバスルームへ連れて行った。
寒くないように、バスルームの暖房のスイッチを入れて、滑らないように、直くんの身体を支えたまま、シャワーを出して、お湯の温度を調節する。 背中にシャワーをかけると、「…… ハァ……、気持ちいい……」と、声を出しているから、意識はあるんだろうか。 なんて考えながら、出しっぱなしにしたシャワーをヘッドホルダーに置いて、抱きかかえるような体勢で直くんの尻の谷間へ指を這わせた。
「…… ん、…… 透さん…… ?」
ピクリと身体を震わせて反応した直くんが、俺の肩に埋めていた顔を上げた。
「直くん、ごめんね? 中のを出した方がいいから、ちょっと我慢しててね」
そう言って、後孔にゆっくりと指を沈めていく。
「――あ、ッ、……」
それに反応して一瞬身体が強張るけど、次の瞬間には、また力が抜けて俺の肩に寄りかかる。
「…… ふ、…… っ」
時折声を漏らす直くんは、眠っているのか起きているのか、夢うつつな狭間を彷徨っているようだ。
指先に触れる粘りを、掬うようにして引き抜くと、直くんの後孔から、俺が犯した罪の名残りが水滴と共に内股を伝い落ちていく。
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