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―― 迷う心とタバコ味の……(27)
「ちょッ、あッ……、あ」
長い睫を伏せて、溢れる出る先走りを舐め取って、そのまま先端から咥内へと呑み込んでいく。 その横顔がエロ過ぎて、俺の半身が更に硬度を増した。
俺は慌てて、倒したシートに預けていた上体を起こし、透さんの肩を押し退けようともがいた。 気持ち良過ぎて、すぐにイッてしまいそうなんですけどっ。
「と、ぉるさん、ダメッ…やめっ」
「直くんは、夜景を観ながら、ただ感じてて」
快楽に流されて、弱い抵抗をする俺を、透さんは、そこからいったん口を離し、上目遣いで見つめて艶然と微笑んだ。
「や…… やけ、い……って」
フロントガラスの向こうに広がる、美しい夜景。
なんか、空を飛んでる気分になってきた。ふわふわって。
それもこれも、透さんの舌遣いのせい。
女の子にしてもらった事もあるけれど、男同士だからか的確に感じるところを攻められて、今までに感じた事のない気持ち良さ。
時々きつく吸い上げられて、震える身体を抑えられず、水位が一気に上がる。
裏筋を舐められて、カリを刺激され、蜜口を舌先でなぞられて、もうそこまで来ている絶頂を逃そうとして身体が強張った。
「ぁーーッ!だ、だめ……ッ」
また咥内に呑み込まれ、透さんの唾液と俺の先走りが混じり合う水音が、すごく淫らなことをしているみたいで、それだけで興奮してしまう。
喉に当たる程、奥まで咥え込んで、透さんが時々見せる苦しそうな表情に、余計に煽られた。
「は…… ァッ、あッ、もっ……、出るッ、離し……っ!イクッ……ッ」
透さんの艶やかな黒髪に指を挿し入れ、頭を離そうとしたその瞬間、堪えきれずに、透さんの咥内に欲を吐き出してしまっていた。
外の寒さと、車内の濡れた空気。 うっすらと曇ったフロントガラス。 その向こうの夜景を眺めながら、俺は、力の抜けた身体を、再びシートに沈めた。
ぼんやりとした頭で、視線を戻すと、透さんはまだそこから唇を離していない。
「……ッ!と、ぉる、さんッ!、」
最後まで搾り取るように吸い上げて、白い喉を上下させる。そして耳に届く、ごくりと飲み干す音。
―― 俺の、飲んだー!?
驚いて声が出ない俺を、濡れた唇を舐めながら、見上げてくる漆黒の瞳。
「どうだった?夜景を見ながらイクのは」
「…… 透さんっ……」
そんな事訊かれても、恥ずかしくて応えられないでしょっ。
冗談だよって、透さんは笑ってるけど、その顔は色気が溢れていて、イッたばかりの下半身が、また反応しかけるのを、俺は必死に抑えていた。
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