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座標の打ち漏らしが無いのを確認して、霖はVRゴーグルを装着した。 パソコンと繋がれているゴーグルには、さっき修正したばかりの画像が映し出されている。 会場の中に設置されたランウェイは、実際に現地で見るのと同じ臨場感。 その上を歩くモデル達が着る服までを念入りにチェックする。 そこにプロジェクションマッピング画像を重ねていく。 花や星、光の乱舞、一つ一つ形が違う雪の結晶。 BGMと効果音の調和も申し分無い、はずだ。 「んん…。 ん…、大丈夫…かな。あとは、秋斗さんに見て貰わなきゃ」 重なりのおかしいところはもうないが、自己満足では駄目だ。 しっかりチェックしてもらわねばならない。 プログラム修正が終わった報告を済ませて立ち上がる。 「んん…っ」 一区切りついたところで立ち上がり、背筋を伸ばしてからバスルームに足を向けた。

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