2 / 14

季節がら汗くさくはないけれど、体も髪も綺麗にした。 いつも顔の上半分を隠している前髪は、アップにしてピンで留める。 「………んっ」 唇を軽く噛み、腕を伸ばす。 目を瞑って、固く閉じた蕾に指を当てる。 自分以外の誰も居ないのは分かっていても、抱かれる準備をする時は羞恥がつきまとう。 「恥ずかし……、でも、秋斗さんに…」 大好きな人に喜んで貰えるなら…。 「ちょっとだけ、我慢。 久し振りのえっちだし、……恥ずかしいのは…我慢」 大好きな人を思い浮かべ、霖は抱かれる為の準備を進めていく。 観葉植物に隠れてした、甘いキス。 霖の舌を絡めとり、舌の根を掠め、上顎をなぞった熱い舌の感触…。 思い出すだけで胸の飾りはツンと芯を通らせ、シャワーの雫でジワリと熱を持つ。 ここで下腹の熱を吐き出せば楽になるのは分かっているけれど、秋斗に中を突き上げて貰っての放熱でなければ意味がない。 「………我慢だよ、僕…」 じっくり解してから、バスルームを後にした。 風呂上がり、手持ちぶさたに溜め息をつくと、スマホが震えた。 『やっと専務が帰った。これで帰れる』 「………っ、ふあ…!」 待ってる、と返信する。 大好きな人からの報せに、心は一気に浮き立った。

ともだちにシェアしよう!