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第9話 エピローグ

 弓月との交際は順調に進んでいた。弓月はたくさん抱えていたバイトを減らし、夕食は清十郎の家で食べる事が多くなった。  もちろん。息子の恋人の大成も一緒だ。  そして、清十郎は交際してから半年が経ったのを記念に、ある事を決めた。  それを弓月に言うと、弓月は驚いた顔をして、嘘だと言いながら泣き出し、コクッと頷いてくれたのだった。 「え……? 今なんて?」  それをはるとに言ったのは、はるとが二十一歳になる誕生日会での事。その日が打ち明けるには絶好の日だと思った。 「今のって本当ですか?」  はるとの隣にはいつも通り大成がいて、はると同様、驚いた顔をしていた。  まぁ、当たり前の反応だろう。 「本当だ。パパ、弓月と付き合ってるんだ。だから弓月と養子縁組を組んで、ここでこれから一緒に住む事にした」 「そ、そうなの!?」 「ご、ごめんね。はるとや大成には言わないとと思ってたんだけど……なかなか言えなくて……」 「まぁ、そりゃ言いにくいよな。でも、俺は弓月が幸せならそれで良いって思うよ」 「大成……」  大成は弓月にそう言って、優しく微笑む。けれど、その隣にいる肝心なはるとは何も言わない。  もしかして否定されるのでは……。そんな不安な気持ちが清十郎と弓月に過ぎる。 「弓月って誕生日……十月だよね?」 「え……? うん」 「なら、僕がお兄ちゃん?」 「え? う、うん。そうだね」 「は、はると?」 「僕、お兄ちゃんになるの! やったー!」 「えぇ!? そこ!?」  はるとは弓月が弟になると言って両手を広げ、盛大に喜び始めた。  昔から兄弟が欲しいと言っていたはるとにとって、自分よりも数ヶ月後に生まれた弓月を弟ができると捉えたようだ。  実際には母親みたいなポジションに弓月が来るのだが。 「弓月、パパの事よろしくね。あと、これからたくさん想い出作ろうね。四人で」  そう言って、弓月の手を優しく握るはると。はるとは心から清十郎と弓月の関係を祝福してくれた。  そんなはるとの心の広さと優しさに、弓月は泣きながら「ありがとう」と何度も言っていた。  そんな弓月を清十郎は優しく抱き締め、頭を撫でる。 「これから三人、いや、四人家族だな」 「はい。僕、とっても嬉しいです」 「うん、僕も」 「俺も」  そう言って、清十郎、弓月。そして、はるとと大成は、これから先も幸せな時を共に過ごし、男四人の家族を築いて行くのだった。

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