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第8話 綺麗な身体
弓月を全裸にさせると、打った肩が痛々しく腫れていた。それを見て、今日はやめようと言ったのが、弓月はやめないでと涙目で言ってくるので、清十郎の理性が爆発してしまった。
「アッ! アッ、アッ、アアッ!」
こんなにも相手を求めたのは初めてだ。
それに、ご無沙汰だった人の体温に、清十郎は余裕なんてなかった。
「悪いな……加減が……できなくて……っ」
「いいっ、です。加減なんて…しないで……」
正常位でのセ◯クス。それは弓月の全てが見える体位で、弓月の火照る顔や声を我慢する表情が全て見れた。それが、清十郎の心を焚き付ける。
「アッ。こんな……こんな気持ちい……の知らないっ」
「弓月……」
「もっと……もっと奥……奥突いてっ……」
弓月はそう言って、清十郎の首に抱き付いてきた。そして、耳元でそう囁くのだった。
「くそっ……」
「ンアッ! ああっ、ンッ……ぁ……」
それを聞き、昔の勘が戻って来た清十郎。
女性よりも質が良くてきめ細やかな真っ白な肌をした弓月の身体を労わりながら、激しく腰を振った。
「アンッ! アッ、イクッ。も…だめっ……アアッ---」
「くっ…ぁ……」
弓月がイッた瞬間、繋がった部分をキュウキュウに締め付けられて清十郎も弓月の中でイッてしまう。
こんなにも堪え性のない人間だっただろうかとふと思ったが、それは相手が弓月だったからだと、腕の中で涙する愛おしい恋人が教えてくれる。
そして、弓月が清十郎にこう言う。
「生まれて来て……よかった……」
そう、泣きながら。
「弓月……」
「こんなに幸せな気持ち……初めて……」
そう言って、弓月は繋がったままなのにスッと寝てしまう。余程疲れていたようだ。それと、今までに無かった安堵が、弓月をそうさせたのかもしれない。
清十郎はズルッと半立ちのそれを抜くと、弓月の身体を綺麗に拭いた。そして、耳元でこう囁いた。
「生まれて来てくれてありがとう。……誕生日おめでとう」
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