16 / 64
そして変化
「ふう~~」
1時間以上も電話をきれずにずっと対応していた。
相手のテクニカルな問題は解決しているけれど、こんなに長引いているのは二次クレームというやっかいな心理的な問題のせいだ。
最初に対応した相手は今日休み、そしてフォローしなくてはいけないのにしていないままだったこと。
そしてそれを記録してなかったため、たまたまでた僕は内容を把握できないまま、相手に対応するはめになった。
っていうかモニターしているリーダー、どうにかしてよ・・・
手をあげてリーダーをよび、ホワイトボードに内容を書き、自分の対応ではそろそろ限界だと伝える。
だってこの人、もうだいぶん納得してくれて、あとは「責任者」「役職者」と言われるトップの人間から丁重に謝ってほしいだけなんだし。
リーダーのボードは「Mgは今別の対応してる、もう少し頑張って」
どうしようもないので、僕はパソコンの画面を見つめながら、相手に詫びを入れ始めた。
さすがに今日は疲れた…。
出勤簿にサインをもらうために、マネージャーのデスクにいった。
今日はぐっすり眠れそうだ。一秒でも早くベットに転がりたい。
「今日はお疲れだったね、タイミング合わなくてホントごめんね。でも助かったよ。
正直俺が謝ったらすんなり終わったしね」
ええ、そうですよ。だからそうリーダーに伝えたのに、マネージャーが他の電話にてこずっているからだよ。
「えとね、沢田さん」
「はい・・・」
サインをもらうだけの毎日の儀式なはずが、何か違う。
「2年も続いているし、モニターしたり、CS部からの報告にも目を通した結果なんだけどさ。
リーダーとして昼間のシフトに異動しないか?」
え?
隠れるように、他の社員とコミニケーションもとってこなかった。
もちろんマネージャーとも言葉を交わすことがあっても、プライベートなことは一切ない。
純粋に僕の働きに対しての評価ということになる。
そして僕が安全だと思った夜の時間帯じゃない・・・昼間の時間
「もちろん時給もアップするし、今よりも生活しやすい時間帯だ。
というか正直深夜帯は幅が少ない。昼間は様々な層の相手と対応する必要がでてくるんだ。
沢田さんはソフトだけど、出来ないことは出来ないと相手に伝えることができるし、冷静だ。
俺としてはこっちにいてほしいけど、昼の課の強い要望なんだよね、残念なことに」
ええ・・と
僕はどうしたいんだろう?
「もし異動するとなったら、いつからになりますか?」
勝手に口が開いて言葉を話している
「来月頭から。こっちは最後の3日は休んだらいいだろう。
時差ぼけ直すのに、そのくらいかかるだろうから」
「わかりました、明後日ぐらいまでお時間いただけますか?」
「うん、わかったよ。それじゃ、お疲れ様」
さてと・・・これこそ変化だ
そして僕はどうしたいのか?
明るい時間に・・・戻れるのか?
ともだちにシェアしよう!