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ゆうさんと僕

侑李×柚月 「いらっしゃいませ。今日は何にされますか?」 「ココアのホットでお願いします」 「かしこまりました」 今日も店員さんは爽やかな笑顔を振りまく。 僕のよく行くこの喫茶店の店員さんはみんな笑顔。僕なんかにも笑顔で接客してくれる。 エプロンにつけられているネームプレートに“ゆう”と書いてあるこのお兄さんなんか特にそう。いつもいつも爽やかな笑顔と声で僕の接客をしてくれる。 仕事だから仕方ないのかもしれないけど、凄いなって思う。僕にはそんな接客出来ない。笑顔すら無理かもしれない。 読書をし始めてすぐにココアが運ばれてきて、読むのをやめてお兄さんにお礼を言う。「ごゆっくり」と笑顔で言うとレジへ向かって行く。 それを見送ってから一口飲んだ。いつものように甘くて優しいココアの味が広がって、幸せな気持ちになる。 今日も僕は幸せな気持ちになりながら、読書を始めた。

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