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猫の日 01
七瀬 色葉(年下、大学生、攻め)
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皆月 光(年上、社会人、受け)
side 光
「ただい……ま?」
「おかえりにゃん♪」
仕事が終わって帰宅すると、猫耳をつけた可愛い恋人が猫耳を持って玄関に立っていた。
今日何かの日だったかな……?
呆然と立ち尽くしていると、「ほら早く入って」と手を引かれてリビングに行く。
「ど、うしたの……?」
「今日は何の日でしょ?」
「コスプレの日……?」
「猫の日だよ!ということで、はい!」
突然猫耳を差し出されて、思わず受け取ってしまった。
僕はいい歳した大人だし、そもそもそんなの付ける性格でもない。
そんな僕が猫耳を付けられるわけない。
色葉くんみたいに可愛かったりしたらまだよかったんだけど。
「いい歳して、つけたくないよ……?」
「ひかさん、若いから!ほらつけてよ」
「嫌だよ」
いくら色葉くんのお願いでも恥ずかしくて無理だ。
そんな可愛い膨れっ面しても……。
色葉くんがしてくれるだけでいいと思う。
「え〜!残念……。ご飯の準備をしておくからシャワー浴びてきたら?」
「そうするよ」
僕の嫌がり方を見て色葉くんは猫耳を諦めてくれ、猫耳を付けたままキッチンへ戻って行った。
シャワーを浴びて、“準備”してリビングに行くとご飯の準備をしてくれている色葉くん。
僕に気付くと、一旦手を止め、「おかえりなさーい」と言い、また準備をし始めた。
その後ろ姿は悲しそう。
だから少しだけ可哀想になって、後ろから抱きついた。
「いろ」
「なんですか」
「そんなにつけてほしいの?」
「そりゃーね。可愛いから」
「んー……寝る前ならつけてあげるよ……」
「ほんと?!」
笑顔で振り向いた色葉くんを見て僕はまんまと色葉くんの策略に嵌ってしまったことに気付いた。
ご飯を食べて歯磨きをすると、色葉くんにベッドへ連れ込まれる。
「つけて♪」
「わかったよ……」
ずっと猫耳をつけてノリノリの色葉くんに急かされ、猫耳をつける。
「これでいい……?」
「ひかさん可愛い〜!似合う!」
ノリでできる学生ではないのだ。
恥ずかしすぎて今すぐにでも布団に潜りたい。
でも楽しそうな色葉くんを見ていると何だか僕まで楽しくなってくる。
……少しだけ、いや、結構恥ずかしいけどあの言葉を言ってみようかな。
そう思うくらいには雰囲気にあてられていた。
色葉くんに抱きつき、耳元で「…にゃん」と呟いた。
すると色葉くんは僕を勢いよく引き剥がして押し倒してきた。
その目は欲情しているようでギラギラと光っている。
明日も仕事があるから、今日スるのはきつい。
「明日も仕事だから無理だよ……?」
「誘ってきたのは光さんだもん。知らないにゃん♪」
可愛い笑顔で僕の抵抗も呆気なくかわされ、代わりに服に手を掛けられる。
こういう時、可愛いけど男の子なんだなあって思う。
念のため、準備しててよかった。
「……優しくして……にゃん」
そう、頑張ってお願いしたのに、色葉くんに容赦なく攻められたのは言うまでもない。
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