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 『夢の続き』(1)

 ――ハロウィンって、そもそもどういう日か知ってるか?  元々はケルト民族の祭事で、そいつらの暦で11月1日が新年だから、大晦日にあたる10月31日に秋の収穫を祝って、死者の霊や悪霊が悪さをしないように作物を捧げたのがはじまりなんだって。  んで、この日はあの世とこの世が繋がる日なんだって。だから、日本でいう、お盆と同んなじじゃないの?  ハロウィンだからって、外国のマネして遊んでたら、善い霊に混じってやってくる魔物にでも取り憑かれたらどうすんだよ?  あぁー、こえぇ、こえぇ。  さっき学校の帰りに、俺がジャックオーランタンの形のパッケージに入ったチョコを買ってるのを傍で見ていた啓太にそう言われたんだけど。 「なんだよ、知ったぶりやがって」  俺が昔から、お化けとか怖いの知ってて、わざとそんなこと言ってるの分かってんだけど。  だいたい、ケルト民族って何? わけわかんねぇ。  べ、別に怖くなんて、ないんだからな。  今日は金曜日だから、透さんの家にお泊りできる日なんだ。  去年はなんの準備もしてなくて、透さんに悪戯されて、めちゃベロンベロンになっちゃったからなー。  今年はちゃんとお菓子も買ったし!  ん? いや、透さんに去年みたいな悪戯されるのは、別に全然OKなんだけどさー。  透さんが帰ってくるまでに、先に食事の準備をするんだ。  んで、食事の後に、酒でも飲みながらこのチョコ食べてさ。  透さんが口移しで、チョコを俺の口ん中に押し込んできてさ、んで中でチョコが段々溶けてさー。  溶け終わったら、甘い甘い舌が絡んでさぁーー。  その後は…へへ。  今年は、酒じゃなくてチョコだから大丈夫。って、何が大丈夫なんだかわかんないけどね。へへ。  晩御飯のメニューは、もちろん、かぼちゃメインってことで!  坊ちゃんかぼちゃのグラタン。  これでも、結構料理頑張ってやるようになったんだ。  今日のは、料理の本見ながらだけどね。  丸ごとレンジでチンしたかぼちゃの、タネとわたを取り除く。オリーブ油をひき中火に熱し、玉ねぎ・ベーコンを炒め塩こしょうで調味し小麦粉を加え混ぜる。牛乳を少しずつ加えながら、チーズを加えて混ぜ合わせてく。  最後にくり抜いたかぼちゃの中に具を詰め込んで、あとは透さんが帰ってきたらオーブントースターで軽く焼くだけ。  簡単サラダも作って、冷蔵庫に入れておく。  よし、準備はOK!  そしてキッチンを片付けてたら、携帯が鳴った。

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