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『-holic ―恋人がサプリ―』(8)
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腕枕をしてくれている透さんの寝息だけが、静かな寝室に響いてる。
結局あの後、俺は何回もイかされて、最後は透さんのが俺の中でドクンドクンと脈打ってるのを薄いゴム越しに感じて、一緒に果てたんだけど。
俺が何回もイってる間に、透さんは一回しかイってないんだよなぁ。
その後一緒にシャワー浴びてベッドに戻ったら、透さんは疲れてるのか、あんまり話しをする間もなく即効寝ちゃったし……。
なんか俺ばっかで申し訳ないような、それとも透さんは1回で満足なのかなとか、あれこれ考えてたら目が冴えちゃって……。
俺と逢わない間、透さんて一人で処理しちゃったりとかするのかな……とか、
あ、もしかして、神谷社長と……とか、また余計な事まで考え始めて、俺、何だか今夜は重症だな。
「……ふぅ……」
なんか眠れそうになくて、上体を起こして、眠ってる透さんの顔をじっと見つめてみる。
伏せた睫毛がすげえ長い。シュッと通った鼻筋、綺麗な輪郭の唇や、透けるように白い肌。
「ホント、透さんて美人だなぁ」
瞼の辺りにかかってる髪の毛を指で払い除けて、そっと柔らかい唇にキスをしてみた。
だけど、透さんはぐっすりと眠ったままで、ピクリともしない。
「はぁ……まるで眠れる森の美男だ」
あんまりぐっすり眠ってるから、ちょっとだけ悪戯心が芽生えて、俺は透さんの下着の中に、ツツっと手を挿し入れてみた。
そっと包み込むように触っても、全然反応はなさそう。
下衣をそっとずらして、眠ってるそこを柔らかく口に咥えてみても、透さんに反応はない。
(……そうだ……実験してみよう)
俺はちょっと本気を出して、透さんの半身に舌を這わせていく。
ちょっとだけ、ヒクリと動いたのを確認して、先端から咥内へ呑み込んでいく
。
「…………」
今、なんかちょっとだけ、透さんの唇から吐息が漏れた気がする。
咥内の透さんのが、少しずつ硬くなっていってる。
(……寝てても気持ちいいのかな)
今度は本格的に舌を絡めながら、顔を上下させてみる。
(……おっ、凄い。大きくなってきた)
このままイかせてあげれるかな。とか、考えながら夢中になって舐めてると……不意に俺の頭に、透さんの手が伸びてきた。
「……直くん?」
半身を口に含んだまま見上げると、透さんは、眠そうに目を細めて俺のことを見つめている。
「……ん、っ、ごめん、起こしちゃった」
透さんを、ただ気持ち良くさせてあげたかっただけなんだけど……。
「まだ、足りなかったのかな」
透さんは苦笑しながら上半身を起こして、「いいよ、おいで」って、俺に両手を差し出した。
え? そんなつもりは無かったんだけど……。
「あ、っ、ん、……っ透さんっ」
結局、今俺は、対面座位で透さんに下から突き上げられて、アンアン言ってます。
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