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3 幸せになるまであと360日。
《おはよう。今日も仕事頑張って。》
《おはようございます。西野さんもお仕事頑張ってください。》
って…
30過ぎたオッサン二人がなんちゅうメールしてんだよ…
恋人とは何か。
俺も正直わからない。
わからないから別れたのか…
私と仕事どっちが大事なの?なんて女に言わせるセリフじゃねぇよな。
その点では俺も恋愛下手なのかもしれない。
いい機会だし俺も恋愛とは何か…学ぶのも悪くない。
というか、西野さんって意外にマメだよな…
付き合ったらまず何をするのか?という話になった時に、毎日メールや電話をする。ということに行き着いた。
他愛もないメールや電話、毎朝毎晩のおはようメールにおやすみメール。
こんなことをしていると本当に付き合ってるんじゃないかと思えてくるから不思議だ。
いや、俺はれっきとしたノーマルなんだけれども。
『天野さん、おはようございます。』
『おう。山崎おはよう。』
『ん?メールですか?珍しいですね!!あっ!!もしかして彼女できたとか!?』
『バッ!!!…できてねぇよ…』
俺は何を焦ってるんだか…
『そろそろ寂しくないですか?』
『うっせぇよ。ガキが生意気言うな!!』
頭をガシガシと撫でてやると山崎が笑う。
『いい人いないんですか?』
『いねぇ。』
『そうですか…』
『あのさ…』
『はい?』
『男同士のデートって男女のデートと変わんねぇの?』
『うーん。変わりませんよ?ご飯食べに行ったり、映画見たり買い物行ったり…家でまったり過ごしたり?』
『そっか…』
『ん?天野さんもしかして…コッチ!?』
『じゃかましい!!!なわけねぇだろ。』
『ですよね…すみません。』
そう謝って、山崎は自分の席へと着いた。
俺は何聞いてんだか…。
意外にも自分の方が疑似恋愛ごっこにハマりかけていると焦ったのであった…。
いや、俺はあくまでもノーマルだから。
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